中小企業のAI導入に使える補助金は、デジタル化・AI導入補助金2026、省力化投資補助金、人材開発支援助成金、東京都DXリスキリング助成金の4つが主軸だ。補助率・上限額・直近の締切と、ITツール導入・開発・研修の目的別の使い分けを公式情報に基づいて整理した。
中小企業がAI導入で使える補助金・助成金は、大きく4つに整理できる(本記事では両者をまとめて「補助金」と呼ぶ)。登録済みITツール・SaaSの導入なら「デジタル化・AI導入補助金2026」、自社業務に合わせたオーダーメイドのAI・システム開発なら「中小企業省力化投資補助金(一般型)」、社員向けのAI研修なら「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」、東京都内企業の短時間研修なら「東京都DXリスキリング助成金」だ。この記事では、各制度の補助率・上限額・直近スケジュールを公式公開情報に基づいて整理し、目的別の使い分けを示す。
補助率・上限額・締切は公募回や年度で変わる。本記事の数値は2026年8月3日時点の各公式サイトの公開情報であり、申請前には必ず最新の公募要領・支給要領の原本を確認してほしい。また、支給の可否や金額は各制度の事務局・管轄労働局の審査によって決まる。本記事は制度の概要を整理するものであり、採択や支給を保証するものではない。
中小企業のAI導入に使える補助金はどれか?
結論から言えば、「何にお金を使うか」で制度が決まる。目的はITツール導入・オーダーメイド開発・人材育成の3つに大別でき、人材育成だけが国と都の2制度に分かれるため、主軸となるのは次の4制度だ(このほか、ものづくり補助金など案件の性格次第で使える制度もある)。
制度 | 向いている用途 | 補助率(中小企業) | 補助上限 | 直近スケジュール |
|---|---|---|---|---|
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 登録済みITツール・SaaSの導入 | 1/2以内(要件により2/3以内) | 450万円 | 4次締切 2026年8月25日 |
中小企業省力化投資補助金(一般型) | オーダーメイドのAI・システム開発 | 1/2〜2/3 | 750万〜8,000万円(従業員数で変動、特例で最大1億円) | 第8回公募 2026年8月中旬開始(予定) |
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 10時間以上のAI・DX研修 | 経費75%+賃金1,000円/人・時 | 経費30万〜50万円/人(eラーニング等は15万円) | 通年(訓練開始の6か月〜1か月前に計画届) |
東京都DXリスキリング助成金 | 3時間以上10時間未満のDX研修(都内) | 3/4 | 7.5万円/人・1研修、100万円/社・年度 | 受付2027年2月28日まで(研修開始の1か月前までに申請) |
以下、制度ごとに要点を見ていく。
デジタル化・AI導入補助金2026とは?IT導入補助金と何が違うのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、旧「IT導入補助金」の後継制度だ。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」で、中小企業基盤整備機構と中小企業庁の監督のもとで事務局が運営している。名称にAIが入ったとおり、生産性向上に資するITツール・AIツールの導入経費を補助する(出典: 制度概要)。
通常枠の補助率は1/2以内。令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上いることを示した場合は、2/3以内に引き上がる。補助額は導入するツールが担う業務プロセス数で決まり、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下だ(出典: 通常枠)。
デジタル化・AI導入補助金2026で最も重要な特徴は、申請の建付けが「単独申請」ではないことだ。事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組み、事前審査に合格した登録済みITツールを導入する場合だけが対象になる(複数者連携枠を除く)。つまり、好きなツールを買ってから補助金を申請する流れではなく、登録事業者・登録ツールの中から選ぶ流れになる。導入したいツールが決まっているなら、そのツールがITツール検索に登録されているかを最初に確認するとよい。
スケジュールは、交付申請が2026年3月30日に始まっており、通常枠の4次締切は2026年8月25日17:00、交付決定は2026年10月7日(予定)だ。事業実績報告の期限は2027年3月31日(予定)である(出典: 事業スケジュール)。
オーダーメイドのAI開発にはどの補助金が使えるか?
既製のITツールではなく、自社の業務に合わせたAIシステムや業務自動化の開発を外注する場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)が本命になる。人手不足の解消に向けた省力化投資を対象とする制度で、個別現場に合わせたオーダーメイドの設備・システムも補助対象に含まれる(出典: 一般型の概要)。ただし、オーダーメイドであれば何でも対象になるわけではない。人手不足の解消につながる省力化効果や投資回収の見通しを、事業計画として示せることが前提だ。
補助率は中小企業で1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3。中小企業も最低賃金引上げ特例の適用で2/3)。補助上限は従業員数で変わり、5人以下で750万円、6〜20人で1,500万円、21〜50人で3,000万円、51〜100人で5,000万円、101人以上で8,000万円だ。大幅賃上げ特例の要件を満たすと上限が引き上がり、最大1億円になる(出典: 同概要ページ)。
注意したいのは、賃上げに関する要件と返還規定だ。一般型には基本要件として、労働生産性の年平均+4.0%以上の向上、1人当たり給与支給総額の年平均+3.5%以上の増加、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とすることなどが課されており(適用される要件は事業者区分で一部異なる)、給与・最低賃金の要件が未達の場合は補助金の一部返還が求められる。さらに、大幅賃上げ特例(給与支給総額の年平均+6.0%以上かつ事業所内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上)で上限を引き上げた場合に特例要件が未達だと、通常上限との差額の返還が必要になる。なお、赤字が続く場合や天災など事業者の責めに帰さない事由がある場合の返還免除規定もある(出典: 同概要ページ)。上限の大きさだけでなく、賃上げ計画の実現可能性とセットで申請を判断すべきだ。
公募は年3〜4回の予定で、第7回は2026年7月31日に締め切られた。第8回は2026年8月中旬に公募開始、10月中旬に締切の予定だ(出典: スケジュール)。交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外になるのが補助金の通例なので、開発の発注時期は公募スケジュールから逆算して組む必要がある。
AI研修・リスキリングに使える助成金は?
社員にAIを使いこなさせるための研修には、開発向けの補助金とは別系統の「助成金」が使える。代表格が人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースだ。事業展開や社内のDX化に伴って必要となる専門知識・技能の習得訓練が対象で、職務に関連する形で設計されたAI研修はこの類型に乗せられる。単なる一般教養としてのAI講座では対象にならない点に注意したい。
中小企業の場合、経費助成が75%、さらに訓練期間中の賃金助成が1人1時間あたり1,000円付く。経費助成の上限は受講者1人あたり、訓練10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円だ(出典: 厚生労働省リーフレット)。ただし、eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみで、賃金助成は付かない。経費助成の上限も、eラーニング・通信制は中小企業で15万円、定額制サービスは受講者1人1か月あたり2万円に下がる。この15万円上限は、通学制や同時双方向型の訓練と組み合わせた場合にも適用される。満額の助成を狙うなら、eラーニングを含まない通学制・同時双方向型のみで研修を設計する必要がある(出典: 同リーフレット注記)。
訓練の要件は3つ。訓練時間が10時間以上であること、OFF-JT(業務と区別して行う訓練)であること、事業展開・DX等に関連する職務訓練であることだ。加えて、事業主が雇用保険適用事業所であり、受講者が雇用保険被保険者であることが前提になる(雇用保険被保険者でない役員や事業主本人は対象外だ)。手続き面では、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、事業主が管轄労働局へ職業訓練実施計画届と事業展開等実施計画を提出する(出典: 同リーフレット)。提出主体はあくまで事業主であるため、研修の日程は届出期限から逆算して決めることになる。
東京都内の企業なら、東京しごと財団が実施する「令和8年度DXリスキリング助成金」(本記事では東京都DXリスキリング助成金と表記)という選択肢もある。助成率3/4、上限は受講者1人1研修あたり7.5万円・1社あたり年度100万円(上限まで複数回申請可)。対象は総研修時間3時間以上10時間未満の研修で、10時間以上を対象とする人材開発支援助成金とは時間要件で区分されている(出典: 東京しごと財団)。対象になるのは教育機関が実施する研修(既存の公開研修、または教育機関に委託して実施するオーダーメイド研修)で、自社内製の勉強会は対象外だ。受講者は都内の事業所に常時勤務する従業員であることが求められる。申請は研修開始予定日の1か月前まで、交付申請の受付は2027年2月28日までとなっている(出典: 同財団ページ)。短時間のワークショップ型研修なら都の助成金、体系的な長時間研修なら国の助成金、と時間要件で明確に分かれているのが使い分けの基本になる。
補助金の申請は誰に相談すればよいか?
制度によって「相談相手」が異なる。ここを混同すると、そもそも申請の土俵に乗れない。
デジタル化・AI導入補助金2026: 登録済みの「IT導入支援事業者」に相談する。この制度はIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請する建付けであり、事業者選びがツール選びと一体になっている。
省力化投資補助金・ものづくり補助金などの開発系補助金: 事業計画は事業主自身が作る建前だが、開発を発注するベンダーに「補助金の趣旨に合う開発計画かどうか」を早い段階で相談すると、計画と開発内容のずれを防げる。認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等)が事業計画づくりを支援するケースも多い。
研修系の助成金: 計画届・支給申請の提出主体は事業主だ。研修会社側には、助成金の時間要件(10時間以上、または3〜10時間未満)に合わせたカリキュラム設計ができるかを確認するとよい。
いずれの制度でも、申請主体はあくまで事業主自身だ。Farleapも、補助金の申請代行は行わない。省力化投資補助金の趣旨に合うAI・業務自動化システムの開発や、助成金の時間要件に合わせたAI研修の設計・実施という形で、補助金活用を前提にしたプロジェクト設計の相談に応じている。
補助金選びで失敗しないためのチェックポイントは?
補助金選びの失敗は、発注のタイミング・要件の年度変動・賃上げ要件・併給調整の4点に集約される。
発注のタイミング。交付決定前の発注・契約は補助対象外になるのが通例だ。「すぐ始めたい」案件と補助金のスケジュールは両立しないことがある。
要件の年度変動。補助率・上限・対象要件は公募回ごとに変わる。過去記事や営業資料の数値を鵜呑みにせず、必ず公式の公募要領・支給要領の最新版で確認する。
賃上げ要件と返還規定。省力化投資補助金のように、基本要件の賃上げが未達だと返還が発生する制度がある。特例の有無にかかわらず、賃上げ計画とセットで考える。
併給調整。同一の研修・投資に複数の助成金・補助金を重ねて受給することは原則できない。どの制度で申請するかを最初に決める。
よくある質問(FAQ)
AI導入の補助金はいくらもらえるのか?
金額は用途と企業規模で変わる。補助上限の目安は、登録済みITツールの導入なら最大450万円(デジタル化・AI導入補助金2026通常枠)、オーダーメイドのAI・システム開発なら従業員数に応じて750万〜8,000万円(省力化投資補助金一般型、特例で最大1億円)、AI研修なら受講者1人あたり経費の75%・上限30万〜50万円(人材開発支援助成金)だ。これらは実際に受け取れる額ではなく上限であり、実際の額は対象経費に補助率を掛けて算出される。最終的な支給の可否と金額は審査を経て決まる。
個人事業主でもAI導入補助金は使えるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、日本国内で事業を営む法人または個人の中小企業・小規模事業者等が対象で、個人事業主も含まれる。一方、人材開発支援助成金は雇用保険被保険者に対する訓練が対象のため、事業主本人の受講には使えない。制度ごとに対象の定義が異なるので、各公募要領・支給要領で確認してほしい。
ChatGPTやClaudeなどの生成AIツールの利用料は補助対象になるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026の対象は、事務局の事前審査に合格した登録済みITツールに限られる。使いたいツールが登録されているかはITツール検索で確認できる。登録外のツールをそのまま補助対象にすることはできない。
申請から入金までどのくらいかかるのか?
補助金は原則「後払い」だ。例えばデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠4次では、2026年8月25日の申請締切に対して交付決定が10月7日(予定)、その後に事業を実施し、実績報告を経てから入金される。導入費用は一度全額を自社で立て替える前提で、資金繰りを組む必要がある。
補助金と助成金は何が違うのか?
実務上の違いは採択の性質だ。補助金(省力化投資補助金など)は審査で採択・不採択が分かれる競争型が多く、助成金(人材開発支援助成金など)は要件を満たせば支給される要件充足型が多い。ただしどちらも、支給の可否と金額が事務局・労働局の審査を経て決まる点は共通で、申請すれば必ず受給できるものではない。研修系は助成金、投資系は補助金と覚えておくと整理しやすい。
まとめ: 目的から逆算して制度を選ぶ
AI導入の補助金選びは、「ITツール導入→デジタル化・AI導入補助金2026」「オーダーメイド開発→省力化投資補助金」「人材育成→人材開発支援助成金・東京都DXリスキリング助成金」という目的別の対応で考えるのが最短だ。そのうえで、締切・賃上げ要件・後払いの資金繰りという3つの制約を自社の計画に重ねて、使う制度を決めればよい。
自社のAI導入計画がどの制度に合うかを整理したい場合は、補助金診断で目安を確認できる。
著者: 菊地脩斗(Farleap)
主な出典: デジタル化・AI導入補助金2026 / 中小企業省力化投資補助金(一般型) / 人材開発支援助成金(厚生労働省) / 令和8年度DXリスキリング助成金(東京しごと財団)(いずれも2026年8月3日閲覧)
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中小企業がAI導入で使える補助金・助成金は、大きく4つに整理できる(本記事では両者をまとめて「補助金」と呼ぶ)。登録済みITツール・SaaSの導入なら「デジタル化・AI導入補助金2026」、自社業務に合わせたオーダーメイドのAI・システム開発なら「中小企業省力化投資補助金(一般型)」、社員向けのAI研修なら「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」、東京都内企業の短時間研修なら「東京都DXリスキリング助成金」だ。この記事では、各制度の補助率・上限額・直近スケジュールを公式公開情報に基づいて整理し、目的別の使い分けを示す。
補助率・上限額・締切は公募回や年度で変わる。本記事の数値は2026年8月3日時点の各公式サイトの公開情報であり、申請前には必ず最新の公募要領・支給要領の原本を確認してほしい。また、支給の可否や金額は各制度の事務局・管轄労働局の審査によって決まる。本記事は制度の概要を整理するものであり、採択や支給を保証するものではない。
中小企業のAI導入に使える補助金はどれか?
結論から言えば、「何にお金を使うか」で制度が決まる。目的はITツール導入・オーダーメイド開発・人材育成の3つに大別でき、人材育成だけが国と都の2制度に分かれるため、主軸となるのは次の4制度だ(このほか、ものづくり補助金など案件の性格次第で使える制度もある)。
制度 | 向いている用途 | 補助率(中小企業) | 補助上限 | 直近スケジュール |
|---|---|---|---|---|
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 登録済みITツール・SaaSの導入 | 1/2以内(要件により2/3以内) | 450万円 | 4次締切 2026年8月25日 |
中小企業省力化投資補助金(一般型) | オーダーメイドのAI・システム開発 | 1/2〜2/3 | 750万〜8,000万円(従業員数で変動、特例で最大1億円) | 第8回公募 2026年8月中旬開始(予定) |
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 10時間以上のAI・DX研修 | 経費75%+賃金1,000円/人・時 | 経費30万〜50万円/人(eラーニング等は15万円) | 通年(訓練開始の6か月〜1か月前に計画届) |
東京都DXリスキリング助成金 | 3時間以上10時間未満のDX研修(都内) | 3/4 | 7.5万円/人・1研修、100万円/社・年度 | 受付2027年2月28日まで(研修開始の1か月前までに申請) |
以下、制度ごとに要点を見ていく。
デジタル化・AI導入補助金2026とは?IT導入補助金と何が違うのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、旧「IT導入補助金」の後継制度だ。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」で、中小企業基盤整備機構と中小企業庁の監督のもとで事務局が運営している。名称にAIが入ったとおり、生産性向上に資するITツール・AIツールの導入経費を補助する(出典: 制度概要)。
通常枠の補助率は1/2以内。令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上いることを示した場合は、2/3以内に引き上がる。補助額は導入するツールが担う業務プロセス数で決まり、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下だ(出典: 通常枠)。
デジタル化・AI導入補助金2026で最も重要な特徴は、申請の建付けが「単独申請」ではないことだ。事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組み、事前審査に合格した登録済みITツールを導入する場合だけが対象になる(複数者連携枠を除く)。つまり、好きなツールを買ってから補助金を申請する流れではなく、登録事業者・登録ツールの中から選ぶ流れになる。導入したいツールが決まっているなら、そのツールがITツール検索に登録されているかを最初に確認するとよい。
スケジュールは、交付申請が2026年3月30日に始まっており、通常枠の4次締切は2026年8月25日17:00、交付決定は2026年10月7日(予定)だ。事業実績報告の期限は2027年3月31日(予定)である(出典: 事業スケジュール)。
オーダーメイドのAI開発にはどの補助金が使えるか?
既製のITツールではなく、自社の業務に合わせたAIシステムや業務自動化の開発を外注する場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)が本命になる。人手不足の解消に向けた省力化投資を対象とする制度で、個別現場に合わせたオーダーメイドの設備・システムも補助対象に含まれる(出典: 一般型の概要)。ただし、オーダーメイドであれば何でも対象になるわけではない。人手不足の解消につながる省力化効果や投資回収の見通しを、事業計画として示せることが前提だ。
補助率は中小企業で1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3。中小企業も最低賃金引上げ特例の適用で2/3)。補助上限は従業員数で変わり、5人以下で750万円、6〜20人で1,500万円、21〜50人で3,000万円、51〜100人で5,000万円、101人以上で8,000万円だ。大幅賃上げ特例の要件を満たすと上限が引き上がり、最大1億円になる(出典: 同概要ページ)。
注意したいのは、賃上げに関する要件と返還規定だ。一般型には基本要件として、労働生産性の年平均+4.0%以上の向上、1人当たり給与支給総額の年平均+3.5%以上の増加、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とすることなどが課されており(適用される要件は事業者区分で一部異なる)、給与・最低賃金の要件が未達の場合は補助金の一部返還が求められる。さらに、大幅賃上げ特例(給与支給総額の年平均+6.0%以上かつ事業所内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上)で上限を引き上げた場合に特例要件が未達だと、通常上限との差額の返還が必要になる。なお、赤字が続く場合や天災など事業者の責めに帰さない事由がある場合の返還免除規定もある(出典: 同概要ページ)。上限の大きさだけでなく、賃上げ計画の実現可能性とセットで申請を判断すべきだ。
公募は年3〜4回の予定で、第7回は2026年7月31日に締め切られた。第8回は2026年8月中旬に公募開始、10月中旬に締切の予定だ(出典: スケジュール)。交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外になるのが補助金の通例なので、開発の発注時期は公募スケジュールから逆算して組む必要がある。
AI研修・リスキリングに使える助成金は?
社員にAIを使いこなさせるための研修には、開発向けの補助金とは別系統の「助成金」が使える。代表格が人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースだ。事業展開や社内のDX化に伴って必要となる専門知識・技能の習得訓練が対象で、職務に関連する形で設計されたAI研修はこの類型に乗せられる。単なる一般教養としてのAI講座では対象にならない点に注意したい。
中小企業の場合、経費助成が75%、さらに訓練期間中の賃金助成が1人1時間あたり1,000円付く。経費助成の上限は受講者1人あたり、訓練10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円だ(出典: 厚生労働省リーフレット)。ただし、eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみで、賃金助成は付かない。経費助成の上限も、eラーニング・通信制は中小企業で15万円、定額制サービスは受講者1人1か月あたり2万円に下がる。この15万円上限は、通学制や同時双方向型の訓練と組み合わせた場合にも適用される。満額の助成を狙うなら、eラーニングを含まない通学制・同時双方向型のみで研修を設計する必要がある(出典: 同リーフレット注記)。
訓練の要件は3つ。訓練時間が10時間以上であること、OFF-JT(業務と区別して行う訓練)であること、事業展開・DX等に関連する職務訓練であることだ。加えて、事業主が雇用保険適用事業所であり、受講者が雇用保険被保険者であることが前提になる(雇用保険被保険者でない役員や事業主本人は対象外だ)。手続き面では、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、事業主が管轄労働局へ職業訓練実施計画届と事業展開等実施計画を提出する(出典: 同リーフレット)。提出主体はあくまで事業主であるため、研修の日程は届出期限から逆算して決めることになる。
東京都内の企業なら、東京しごと財団が実施する「令和8年度DXリスキリング助成金」(本記事では東京都DXリスキリング助成金と表記)という選択肢もある。助成率3/4、上限は受講者1人1研修あたり7.5万円・1社あたり年度100万円(上限まで複数回申請可)。対象は総研修時間3時間以上10時間未満の研修で、10時間以上を対象とする人材開発支援助成金とは時間要件で区分されている(出典: 東京しごと財団)。対象になるのは教育機関が実施する研修(既存の公開研修、または教育機関に委託して実施するオーダーメイド研修)で、自社内製の勉強会は対象外だ。受講者は都内の事業所に常時勤務する従業員であることが求められる。申請は研修開始予定日の1か月前まで、交付申請の受付は2027年2月28日までとなっている(出典: 同財団ページ)。短時間のワークショップ型研修なら都の助成金、体系的な長時間研修なら国の助成金、と時間要件で明確に分かれているのが使い分けの基本になる。
補助金の申請は誰に相談すればよいか?
制度によって「相談相手」が異なる。ここを混同すると、そもそも申請の土俵に乗れない。
デジタル化・AI導入補助金2026: 登録済みの「IT導入支援事業者」に相談する。この制度はIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請する建付けであり、事業者選びがツール選びと一体になっている。
省力化投資補助金・ものづくり補助金などの開発系補助金: 事業計画は事業主自身が作る建前だが、開発を発注するベンダーに「補助金の趣旨に合う開発計画かどうか」を早い段階で相談すると、計画と開発内容のずれを防げる。認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等)が事業計画づくりを支援するケースも多い。
研修系の助成金: 計画届・支給申請の提出主体は事業主だ。研修会社側には、助成金の時間要件(10時間以上、または3〜10時間未満)に合わせたカリキュラム設計ができるかを確認するとよい。
いずれの制度でも、申請主体はあくまで事業主自身だ。Farleapも、補助金の申請代行は行わない。省力化投資補助金の趣旨に合うAI・業務自動化システムの開発や、助成金の時間要件に合わせたAI研修の設計・実施という形で、補助金活用を前提にしたプロジェクト設計の相談に応じている。
補助金選びで失敗しないためのチェックポイントは?
補助金選びの失敗は、発注のタイミング・要件の年度変動・賃上げ要件・併給調整の4点に集約される。
発注のタイミング。交付決定前の発注・契約は補助対象外になるのが通例だ。「すぐ始めたい」案件と補助金のスケジュールは両立しないことがある。
要件の年度変動。補助率・上限・対象要件は公募回ごとに変わる。過去記事や営業資料の数値を鵜呑みにせず、必ず公式の公募要領・支給要領の最新版で確認する。
賃上げ要件と返還規定。省力化投資補助金のように、基本要件の賃上げが未達だと返還が発生する制度がある。特例の有無にかかわらず、賃上げ計画とセットで考える。
併給調整。同一の研修・投資に複数の助成金・補助金を重ねて受給することは原則できない。どの制度で申請するかを最初に決める。
よくある質問(FAQ)
AI導入の補助金はいくらもらえるのか?
金額は用途と企業規模で変わる。補助上限の目安は、登録済みITツールの導入なら最大450万円(デジタル化・AI導入補助金2026通常枠)、オーダーメイドのAI・システム開発なら従業員数に応じて750万〜8,000万円(省力化投資補助金一般型、特例で最大1億円)、AI研修なら受講者1人あたり経費の75%・上限30万〜50万円(人材開発支援助成金)だ。これらは実際に受け取れる額ではなく上限であり、実際の額は対象経費に補助率を掛けて算出される。最終的な支給の可否と金額は審査を経て決まる。
個人事業主でもAI導入補助金は使えるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、日本国内で事業を営む法人または個人の中小企業・小規模事業者等が対象で、個人事業主も含まれる。一方、人材開発支援助成金は雇用保険被保険者に対する訓練が対象のため、事業主本人の受講には使えない。制度ごとに対象の定義が異なるので、各公募要領・支給要領で確認してほしい。
ChatGPTやClaudeなどの生成AIツールの利用料は補助対象になるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026の対象は、事務局の事前審査に合格した登録済みITツールに限られる。使いたいツールが登録されているかはITツール検索で確認できる。登録外のツールをそのまま補助対象にすることはできない。
申請から入金までどのくらいかかるのか?
補助金は原則「後払い」だ。例えばデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠4次では、2026年8月25日の申請締切に対して交付決定が10月7日(予定)、その後に事業を実施し、実績報告を経てから入金される。導入費用は一度全額を自社で立て替える前提で、資金繰りを組む必要がある。
補助金と助成金は何が違うのか?
実務上の違いは採択の性質だ。補助金(省力化投資補助金など)は審査で採択・不採択が分かれる競争型が多く、助成金(人材開発支援助成金など)は要件を満たせば支給される要件充足型が多い。ただしどちらも、支給の可否と金額が事務局・労働局の審査を経て決まる点は共通で、申請すれば必ず受給できるものではない。研修系は助成金、投資系は補助金と覚えておくと整理しやすい。
まとめ: 目的から逆算して制度を選ぶ
AI導入の補助金選びは、「ITツール導入→デジタル化・AI導入補助金2026」「オーダーメイド開発→省力化投資補助金」「人材育成→人材開発支援助成金・東京都DXリスキリング助成金」という目的別の対応で考えるのが最短だ。そのうえで、締切・賃上げ要件・後払いの資金繰りという3つの制約を自社の計画に重ねて、使う制度を決めればよい。
自社のAI導入計画がどの制度に合うかを整理したい場合は、補助金診断で目安を確認できる。
著者: 菊地脩斗(Farleap)
主な出典: デジタル化・AI導入補助金2026 / 中小企業省力化投資補助金(一般型) / 人材開発支援助成金(厚生労働省) / 令和8年度DXリスキリング助成金(東京しごと財団)(いずれも2026年8月3日閲覧)
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中小企業のAI導入に使える補助金は、デジタル化・AI導入補助金2026、省力化投資補助金、人材開発支援助成金、東京都DXリスキリング助成金の4つが主軸だ。補助率・上限額・直近の締切と、ITツール導入・開発・研修の目的別の使い分けを公式情報に基づいて整理した。
中小企業がAI導入で使える補助金・助成金は、大きく4つに整理できる(本記事では両者をまとめて「補助金」と呼ぶ)。登録済みITツール・SaaSの導入なら「デジタル化・AI導入補助金2026」、自社業務に合わせたオーダーメイドのAI・システム開発なら「中小企業省力化投資補助金(一般型)」、社員向けのAI研修なら「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」、東京都内企業の短時間研修なら「東京都DXリスキリング助成金」だ。この記事では、各制度の補助率・上限額・直近スケジュールを公式公開情報に基づいて整理し、目的別の使い分けを示す。
補助率・上限額・締切は公募回や年度で変わる。本記事の数値は2026年8月3日時点の各公式サイトの公開情報であり、申請前には必ず最新の公募要領・支給要領の原本を確認してほしい。また、支給の可否や金額は各制度の事務局・管轄労働局の審査によって決まる。本記事は制度の概要を整理するものであり、採択や支給を保証するものではない。
中小企業のAI導入に使える補助金はどれか?
結論から言えば、「何にお金を使うか」で制度が決まる。目的はITツール導入・オーダーメイド開発・人材育成の3つに大別でき、人材育成だけが国と都の2制度に分かれるため、主軸となるのは次の4制度だ(このほか、ものづくり補助金など案件の性格次第で使える制度もある)。
制度 | 向いている用途 | 補助率(中小企業) | 補助上限 | 直近スケジュール |
|---|---|---|---|---|
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 登録済みITツール・SaaSの導入 | 1/2以内(要件により2/3以内) | 450万円 | 4次締切 2026年8月25日 |
中小企業省力化投資補助金(一般型) | オーダーメイドのAI・システム開発 | 1/2〜2/3 | 750万〜8,000万円(従業員数で変動、特例で最大1億円) | 第8回公募 2026年8月中旬開始(予定) |
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 10時間以上のAI・DX研修 | 経費75%+賃金1,000円/人・時 | 経費30万〜50万円/人(eラーニング等は15万円) | 通年(訓練開始の6か月〜1か月前に計画届) |
東京都DXリスキリング助成金 | 3時間以上10時間未満のDX研修(都内) | 3/4 | 7.5万円/人・1研修、100万円/社・年度 | 受付2027年2月28日まで(研修開始の1か月前までに申請) |
以下、制度ごとに要点を見ていく。
デジタル化・AI導入補助金2026とは?IT導入補助金と何が違うのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、旧「IT導入補助金」の後継制度だ。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」で、中小企業基盤整備機構と中小企業庁の監督のもとで事務局が運営している。名称にAIが入ったとおり、生産性向上に資するITツール・AIツールの導入経費を補助する(出典: 制度概要)。
通常枠の補助率は1/2以内。令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上いることを示した場合は、2/3以内に引き上がる。補助額は導入するツールが担う業務プロセス数で決まり、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下だ(出典: 通常枠)。
デジタル化・AI導入補助金2026で最も重要な特徴は、申請の建付けが「単独申請」ではないことだ。事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組み、事前審査に合格した登録済みITツールを導入する場合だけが対象になる(複数者連携枠を除く)。つまり、好きなツールを買ってから補助金を申請する流れではなく、登録事業者・登録ツールの中から選ぶ流れになる。導入したいツールが決まっているなら、そのツールがITツール検索に登録されているかを最初に確認するとよい。
スケジュールは、交付申請が2026年3月30日に始まっており、通常枠の4次締切は2026年8月25日17:00、交付決定は2026年10月7日(予定)だ。事業実績報告の期限は2027年3月31日(予定)である(出典: 事業スケジュール)。
オーダーメイドのAI開発にはどの補助金が使えるか?
既製のITツールではなく、自社の業務に合わせたAIシステムや業務自動化の開発を外注する場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)が本命になる。人手不足の解消に向けた省力化投資を対象とする制度で、個別現場に合わせたオーダーメイドの設備・システムも補助対象に含まれる(出典: 一般型の概要)。ただし、オーダーメイドであれば何でも対象になるわけではない。人手不足の解消につながる省力化効果や投資回収の見通しを、事業計画として示せることが前提だ。
補助率は中小企業で1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3。中小企業も最低賃金引上げ特例の適用で2/3)。補助上限は従業員数で変わり、5人以下で750万円、6〜20人で1,500万円、21〜50人で3,000万円、51〜100人で5,000万円、101人以上で8,000万円だ。大幅賃上げ特例の要件を満たすと上限が引き上がり、最大1億円になる(出典: 同概要ページ)。
注意したいのは、賃上げに関する要件と返還規定だ。一般型には基本要件として、労働生産性の年平均+4.0%以上の向上、1人当たり給与支給総額の年平均+3.5%以上の増加、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とすることなどが課されており(適用される要件は事業者区分で一部異なる)、給与・最低賃金の要件が未達の場合は補助金の一部返還が求められる。さらに、大幅賃上げ特例(給与支給総額の年平均+6.0%以上かつ事業所内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上)で上限を引き上げた場合に特例要件が未達だと、通常上限との差額の返還が必要になる。なお、赤字が続く場合や天災など事業者の責めに帰さない事由がある場合の返還免除規定もある(出典: 同概要ページ)。上限の大きさだけでなく、賃上げ計画の実現可能性とセットで申請を判断すべきだ。
公募は年3〜4回の予定で、第7回は2026年7月31日に締め切られた。第8回は2026年8月中旬に公募開始、10月中旬に締切の予定だ(出典: スケジュール)。交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外になるのが補助金の通例なので、開発の発注時期は公募スケジュールから逆算して組む必要がある。
AI研修・リスキリングに使える助成金は?
社員にAIを使いこなさせるための研修には、開発向けの補助金とは別系統の「助成金」が使える。代表格が人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースだ。事業展開や社内のDX化に伴って必要となる専門知識・技能の習得訓練が対象で、職務に関連する形で設計されたAI研修はこの類型に乗せられる。単なる一般教養としてのAI講座では対象にならない点に注意したい。
中小企業の場合、経費助成が75%、さらに訓練期間中の賃金助成が1人1時間あたり1,000円付く。経費助成の上限は受講者1人あたり、訓練10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円だ(出典: 厚生労働省リーフレット)。ただし、eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみで、賃金助成は付かない。経費助成の上限も、eラーニング・通信制は中小企業で15万円、定額制サービスは受講者1人1か月あたり2万円に下がる。この15万円上限は、通学制や同時双方向型の訓練と組み合わせた場合にも適用される。満額の助成を狙うなら、eラーニングを含まない通学制・同時双方向型のみで研修を設計する必要がある(出典: 同リーフレット注記)。
訓練の要件は3つ。訓練時間が10時間以上であること、OFF-JT(業務と区別して行う訓練)であること、事業展開・DX等に関連する職務訓練であることだ。加えて、事業主が雇用保険適用事業所であり、受講者が雇用保険被保険者であることが前提になる(雇用保険被保険者でない役員や事業主本人は対象外だ)。手続き面では、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、事業主が管轄労働局へ職業訓練実施計画届と事業展開等実施計画を提出する(出典: 同リーフレット)。提出主体はあくまで事業主であるため、研修の日程は届出期限から逆算して決めることになる。
東京都内の企業なら、東京しごと財団が実施する「令和8年度DXリスキリング助成金」(本記事では東京都DXリスキリング助成金と表記)という選択肢もある。助成率3/4、上限は受講者1人1研修あたり7.5万円・1社あたり年度100万円(上限まで複数回申請可)。対象は総研修時間3時間以上10時間未満の研修で、10時間以上を対象とする人材開発支援助成金とは時間要件で区分されている(出典: 東京しごと財団)。対象になるのは教育機関が実施する研修(既存の公開研修、または教育機関に委託して実施するオーダーメイド研修)で、自社内製の勉強会は対象外だ。受講者は都内の事業所に常時勤務する従業員であることが求められる。申請は研修開始予定日の1か月前まで、交付申請の受付は2027年2月28日までとなっている(出典: 同財団ページ)。短時間のワークショップ型研修なら都の助成金、体系的な長時間研修なら国の助成金、と時間要件で明確に分かれているのが使い分けの基本になる。
補助金の申請は誰に相談すればよいか?
制度によって「相談相手」が異なる。ここを混同すると、そもそも申請の土俵に乗れない。
デジタル化・AI導入補助金2026: 登録済みの「IT導入支援事業者」に相談する。この制度はIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請する建付けであり、事業者選びがツール選びと一体になっている。
省力化投資補助金・ものづくり補助金などの開発系補助金: 事業計画は事業主自身が作る建前だが、開発を発注するベンダーに「補助金の趣旨に合う開発計画かどうか」を早い段階で相談すると、計画と開発内容のずれを防げる。認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等)が事業計画づくりを支援するケースも多い。
研修系の助成金: 計画届・支給申請の提出主体は事業主だ。研修会社側には、助成金の時間要件(10時間以上、または3〜10時間未満)に合わせたカリキュラム設計ができるかを確認するとよい。
いずれの制度でも、申請主体はあくまで事業主自身だ。Farleapも、補助金の申請代行は行わない。省力化投資補助金の趣旨に合うAI・業務自動化システムの開発や、助成金の時間要件に合わせたAI研修の設計・実施という形で、補助金活用を前提にしたプロジェクト設計の相談に応じている。
補助金選びで失敗しないためのチェックポイントは?
補助金選びの失敗は、発注のタイミング・要件の年度変動・賃上げ要件・併給調整の4点に集約される。
発注のタイミング。交付決定前の発注・契約は補助対象外になるのが通例だ。「すぐ始めたい」案件と補助金のスケジュールは両立しないことがある。
要件の年度変動。補助率・上限・対象要件は公募回ごとに変わる。過去記事や営業資料の数値を鵜呑みにせず、必ず公式の公募要領・支給要領の最新版で確認する。
賃上げ要件と返還規定。省力化投資補助金のように、基本要件の賃上げが未達だと返還が発生する制度がある。特例の有無にかかわらず、賃上げ計画とセットで考える。
併給調整。同一の研修・投資に複数の助成金・補助金を重ねて受給することは原則できない。どの制度で申請するかを最初に決める。
よくある質問(FAQ)
AI導入の補助金はいくらもらえるのか?
金額は用途と企業規模で変わる。補助上限の目安は、登録済みITツールの導入なら最大450万円(デジタル化・AI導入補助金2026通常枠)、オーダーメイドのAI・システム開発なら従業員数に応じて750万〜8,000万円(省力化投資補助金一般型、特例で最大1億円)、AI研修なら受講者1人あたり経費の75%・上限30万〜50万円(人材開発支援助成金)だ。これらは実際に受け取れる額ではなく上限であり、実際の額は対象経費に補助率を掛けて算出される。最終的な支給の可否と金額は審査を経て決まる。
個人事業主でもAI導入補助金は使えるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、日本国内で事業を営む法人または個人の中小企業・小規模事業者等が対象で、個人事業主も含まれる。一方、人材開発支援助成金は雇用保険被保険者に対する訓練が対象のため、事業主本人の受講には使えない。制度ごとに対象の定義が異なるので、各公募要領・支給要領で確認してほしい。
ChatGPTやClaudeなどの生成AIツールの利用料は補助対象になるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026の対象は、事務局の事前審査に合格した登録済みITツールに限られる。使いたいツールが登録されているかはITツール検索で確認できる。登録外のツールをそのまま補助対象にすることはできない。
申請から入金までどのくらいかかるのか?
補助金は原則「後払い」だ。例えばデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠4次では、2026年8月25日の申請締切に対して交付決定が10月7日(予定)、その後に事業を実施し、実績報告を経てから入金される。導入費用は一度全額を自社で立て替える前提で、資金繰りを組む必要がある。
補助金と助成金は何が違うのか?
実務上の違いは採択の性質だ。補助金(省力化投資補助金など)は審査で採択・不採択が分かれる競争型が多く、助成金(人材開発支援助成金など)は要件を満たせば支給される要件充足型が多い。ただしどちらも、支給の可否と金額が事務局・労働局の審査を経て決まる点は共通で、申請すれば必ず受給できるものではない。研修系は助成金、投資系は補助金と覚えておくと整理しやすい。
まとめ: 目的から逆算して制度を選ぶ
AI導入の補助金選びは、「ITツール導入→デジタル化・AI導入補助金2026」「オーダーメイド開発→省力化投資補助金」「人材育成→人材開発支援助成金・東京都DXリスキリング助成金」という目的別の対応で考えるのが最短だ。そのうえで、締切・賃上げ要件・後払いの資金繰りという3つの制約を自社の計画に重ねて、使う制度を決めればよい。
自社のAI導入計画がどの制度に合うかを整理したい場合は、補助金診断で目安を確認できる。
著者: 菊地脩斗(Farleap)
主な出典: デジタル化・AI導入補助金2026 / 中小企業省力化投資補助金(一般型) / 人材開発支援助成金(厚生労働省) / 令和8年度DXリスキリング助成金(東京しごと財団)(いずれも2026年8月3日閲覧)
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Web3受託開発会社の選び方
失敗しない発注の5つの判断軸

スマートコントラクト開発の進め方と、よくある落とし穴
要件定義から監査・デプロイまでの進め方と現場の落とし穴

DeFi/DEXのセキュリティ設計
資産を守るために押さえる観点

DX人材の内製化と育成戦略
シチズン開発・GTMエンジニアで変わる組織設計

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中小企業のAI導入に使える補助金は、デジタル化・AI導入補助金2026、省力化投資補助金、人材開発支援助成金、東京都DXリスキリング助成金の4つが主軸だ。補助率・上限額・直近の締切と、ITツール導入・開発・研修の目的別の使い分けを公式情報に基づいて整理した。
中小企業がAI導入で使える補助金・助成金は、大きく4つに整理できる(本記事では両者をまとめて「補助金」と呼ぶ)。登録済みITツール・SaaSの導入なら「デジタル化・AI導入補助金2026」、自社業務に合わせたオーダーメイドのAI・システム開発なら「中小企業省力化投資補助金(一般型)」、社員向けのAI研修なら「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」、東京都内企業の短時間研修なら「東京都DXリスキリング助成金」だ。この記事では、各制度の補助率・上限額・直近スケジュールを公式公開情報に基づいて整理し、目的別の使い分けを示す。
補助率・上限額・締切は公募回や年度で変わる。本記事の数値は2026年8月3日時点の各公式サイトの公開情報であり、申請前には必ず最新の公募要領・支給要領の原本を確認してほしい。また、支給の可否や金額は各制度の事務局・管轄労働局の審査によって決まる。本記事は制度の概要を整理するものであり、採択や支給を保証するものではない。
中小企業のAI導入に使える補助金はどれか?
結論から言えば、「何にお金を使うか」で制度が決まる。目的はITツール導入・オーダーメイド開発・人材育成の3つに大別でき、人材育成だけが国と都の2制度に分かれるため、主軸となるのは次の4制度だ(このほか、ものづくり補助金など案件の性格次第で使える制度もある)。
制度 | 向いている用途 | 補助率(中小企業) | 補助上限 | 直近スケジュール |
|---|---|---|---|---|
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 登録済みITツール・SaaSの導入 | 1/2以内(要件により2/3以内) | 450万円 | 4次締切 2026年8月25日 |
中小企業省力化投資補助金(一般型) | オーダーメイドのAI・システム開発 | 1/2〜2/3 | 750万〜8,000万円(従業員数で変動、特例で最大1億円) | 第8回公募 2026年8月中旬開始(予定) |
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 10時間以上のAI・DX研修 | 経費75%+賃金1,000円/人・時 | 経費30万〜50万円/人(eラーニング等は15万円) | 通年(訓練開始の6か月〜1か月前に計画届) |
東京都DXリスキリング助成金 | 3時間以上10時間未満のDX研修(都内) | 3/4 | 7.5万円/人・1研修、100万円/社・年度 | 受付2027年2月28日まで(研修開始の1か月前までに申請) |
以下、制度ごとに要点を見ていく。
デジタル化・AI導入補助金2026とは?IT導入補助金と何が違うのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、旧「IT導入補助金」の後継制度だ。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」で、中小企業基盤整備機構と中小企業庁の監督のもとで事務局が運営している。名称にAIが入ったとおり、生産性向上に資するITツール・AIツールの導入経費を補助する(出典: 制度概要)。
通常枠の補助率は1/2以内。令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上いることを示した場合は、2/3以内に引き上がる。補助額は導入するツールが担う業務プロセス数で決まり、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下だ(出典: 通常枠)。
デジタル化・AI導入補助金2026で最も重要な特徴は、申請の建付けが「単独申請」ではないことだ。事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組み、事前審査に合格した登録済みITツールを導入する場合だけが対象になる(複数者連携枠を除く)。つまり、好きなツールを買ってから補助金を申請する流れではなく、登録事業者・登録ツールの中から選ぶ流れになる。導入したいツールが決まっているなら、そのツールがITツール検索に登録されているかを最初に確認するとよい。
スケジュールは、交付申請が2026年3月30日に始まっており、通常枠の4次締切は2026年8月25日17:00、交付決定は2026年10月7日(予定)だ。事業実績報告の期限は2027年3月31日(予定)である(出典: 事業スケジュール)。
オーダーメイドのAI開発にはどの補助金が使えるか?
既製のITツールではなく、自社の業務に合わせたAIシステムや業務自動化の開発を外注する場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)が本命になる。人手不足の解消に向けた省力化投資を対象とする制度で、個別現場に合わせたオーダーメイドの設備・システムも補助対象に含まれる(出典: 一般型の概要)。ただし、オーダーメイドであれば何でも対象になるわけではない。人手不足の解消につながる省力化効果や投資回収の見通しを、事業計画として示せることが前提だ。
補助率は中小企業で1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3。中小企業も最低賃金引上げ特例の適用で2/3)。補助上限は従業員数で変わり、5人以下で750万円、6〜20人で1,500万円、21〜50人で3,000万円、51〜100人で5,000万円、101人以上で8,000万円だ。大幅賃上げ特例の要件を満たすと上限が引き上がり、最大1億円になる(出典: 同概要ページ)。
注意したいのは、賃上げに関する要件と返還規定だ。一般型には基本要件として、労働生産性の年平均+4.0%以上の向上、1人当たり給与支給総額の年平均+3.5%以上の増加、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とすることなどが課されており(適用される要件は事業者区分で一部異なる)、給与・最低賃金の要件が未達の場合は補助金の一部返還が求められる。さらに、大幅賃上げ特例(給与支給総額の年平均+6.0%以上かつ事業所内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上)で上限を引き上げた場合に特例要件が未達だと、通常上限との差額の返還が必要になる。なお、赤字が続く場合や天災など事業者の責めに帰さない事由がある場合の返還免除規定もある(出典: 同概要ページ)。上限の大きさだけでなく、賃上げ計画の実現可能性とセットで申請を判断すべきだ。
公募は年3〜4回の予定で、第7回は2026年7月31日に締め切られた。第8回は2026年8月中旬に公募開始、10月中旬に締切の予定だ(出典: スケジュール)。交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外になるのが補助金の通例なので、開発の発注時期は公募スケジュールから逆算して組む必要がある。
AI研修・リスキリングに使える助成金は?
社員にAIを使いこなさせるための研修には、開発向けの補助金とは別系統の「助成金」が使える。代表格が人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースだ。事業展開や社内のDX化に伴って必要となる専門知識・技能の習得訓練が対象で、職務に関連する形で設計されたAI研修はこの類型に乗せられる。単なる一般教養としてのAI講座では対象にならない点に注意したい。
中小企業の場合、経費助成が75%、さらに訓練期間中の賃金助成が1人1時間あたり1,000円付く。経費助成の上限は受講者1人あたり、訓練10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円だ(出典: 厚生労働省リーフレット)。ただし、eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみで、賃金助成は付かない。経費助成の上限も、eラーニング・通信制は中小企業で15万円、定額制サービスは受講者1人1か月あたり2万円に下がる。この15万円上限は、通学制や同時双方向型の訓練と組み合わせた場合にも適用される。満額の助成を狙うなら、eラーニングを含まない通学制・同時双方向型のみで研修を設計する必要がある(出典: 同リーフレット注記)。
訓練の要件は3つ。訓練時間が10時間以上であること、OFF-JT(業務と区別して行う訓練)であること、事業展開・DX等に関連する職務訓練であることだ。加えて、事業主が雇用保険適用事業所であり、受講者が雇用保険被保険者であることが前提になる(雇用保険被保険者でない役員や事業主本人は対象外だ)。手続き面では、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、事業主が管轄労働局へ職業訓練実施計画届と事業展開等実施計画を提出する(出典: 同リーフレット)。提出主体はあくまで事業主であるため、研修の日程は届出期限から逆算して決めることになる。
東京都内の企業なら、東京しごと財団が実施する「令和8年度DXリスキリング助成金」(本記事では東京都DXリスキリング助成金と表記)という選択肢もある。助成率3/4、上限は受講者1人1研修あたり7.5万円・1社あたり年度100万円(上限まで複数回申請可)。対象は総研修時間3時間以上10時間未満の研修で、10時間以上を対象とする人材開発支援助成金とは時間要件で区分されている(出典: 東京しごと財団)。対象になるのは教育機関が実施する研修(既存の公開研修、または教育機関に委託して実施するオーダーメイド研修)で、自社内製の勉強会は対象外だ。受講者は都内の事業所に常時勤務する従業員であることが求められる。申請は研修開始予定日の1か月前まで、交付申請の受付は2027年2月28日までとなっている(出典: 同財団ページ)。短時間のワークショップ型研修なら都の助成金、体系的な長時間研修なら国の助成金、と時間要件で明確に分かれているのが使い分けの基本になる。
補助金の申請は誰に相談すればよいか?
制度によって「相談相手」が異なる。ここを混同すると、そもそも申請の土俵に乗れない。
デジタル化・AI導入補助金2026: 登録済みの「IT導入支援事業者」に相談する。この制度はIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請する建付けであり、事業者選びがツール選びと一体になっている。
省力化投資補助金・ものづくり補助金などの開発系補助金: 事業計画は事業主自身が作る建前だが、開発を発注するベンダーに「補助金の趣旨に合う開発計画かどうか」を早い段階で相談すると、計画と開発内容のずれを防げる。認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等)が事業計画づくりを支援するケースも多い。
研修系の助成金: 計画届・支給申請の提出主体は事業主だ。研修会社側には、助成金の時間要件(10時間以上、または3〜10時間未満)に合わせたカリキュラム設計ができるかを確認するとよい。
いずれの制度でも、申請主体はあくまで事業主自身だ。Farleapも、補助金の申請代行は行わない。省力化投資補助金の趣旨に合うAI・業務自動化システムの開発や、助成金の時間要件に合わせたAI研修の設計・実施という形で、補助金活用を前提にしたプロジェクト設計の相談に応じている。
補助金選びで失敗しないためのチェックポイントは?
補助金選びの失敗は、発注のタイミング・要件の年度変動・賃上げ要件・併給調整の4点に集約される。
発注のタイミング。交付決定前の発注・契約は補助対象外になるのが通例だ。「すぐ始めたい」案件と補助金のスケジュールは両立しないことがある。
要件の年度変動。補助率・上限・対象要件は公募回ごとに変わる。過去記事や営業資料の数値を鵜呑みにせず、必ず公式の公募要領・支給要領の最新版で確認する。
賃上げ要件と返還規定。省力化投資補助金のように、基本要件の賃上げが未達だと返還が発生する制度がある。特例の有無にかかわらず、賃上げ計画とセットで考える。
併給調整。同一の研修・投資に複数の助成金・補助金を重ねて受給することは原則できない。どの制度で申請するかを最初に決める。
よくある質問(FAQ)
AI導入の補助金はいくらもらえるのか?
金額は用途と企業規模で変わる。補助上限の目安は、登録済みITツールの導入なら最大450万円(デジタル化・AI導入補助金2026通常枠)、オーダーメイドのAI・システム開発なら従業員数に応じて750万〜8,000万円(省力化投資補助金一般型、特例で最大1億円)、AI研修なら受講者1人あたり経費の75%・上限30万〜50万円(人材開発支援助成金)だ。これらは実際に受け取れる額ではなく上限であり、実際の額は対象経費に補助率を掛けて算出される。最終的な支給の可否と金額は審査を経て決まる。
個人事業主でもAI導入補助金は使えるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、日本国内で事業を営む法人または個人の中小企業・小規模事業者等が対象で、個人事業主も含まれる。一方、人材開発支援助成金は雇用保険被保険者に対する訓練が対象のため、事業主本人の受講には使えない。制度ごとに対象の定義が異なるので、各公募要領・支給要領で確認してほしい。
ChatGPTやClaudeなどの生成AIツールの利用料は補助対象になるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026の対象は、事務局の事前審査に合格した登録済みITツールに限られる。使いたいツールが登録されているかはITツール検索で確認できる。登録外のツールをそのまま補助対象にすることはできない。
申請から入金までどのくらいかかるのか?
補助金は原則「後払い」だ。例えばデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠4次では、2026年8月25日の申請締切に対して交付決定が10月7日(予定)、その後に事業を実施し、実績報告を経てから入金される。導入費用は一度全額を自社で立て替える前提で、資金繰りを組む必要がある。
補助金と助成金は何が違うのか?
実務上の違いは採択の性質だ。補助金(省力化投資補助金など)は審査で採択・不採択が分かれる競争型が多く、助成金(人材開発支援助成金など)は要件を満たせば支給される要件充足型が多い。ただしどちらも、支給の可否と金額が事務局・労働局の審査を経て決まる点は共通で、申請すれば必ず受給できるものではない。研修系は助成金、投資系は補助金と覚えておくと整理しやすい。
まとめ: 目的から逆算して制度を選ぶ
AI導入の補助金選びは、「ITツール導入→デジタル化・AI導入補助金2026」「オーダーメイド開発→省力化投資補助金」「人材育成→人材開発支援助成金・東京都DXリスキリング助成金」という目的別の対応で考えるのが最短だ。そのうえで、締切・賃上げ要件・後払いの資金繰りという3つの制約を自社の計画に重ねて、使う制度を決めればよい。
自社のAI導入計画がどの制度に合うかを整理したい場合は、補助金診断で目安を確認できる。
著者: 菊地脩斗(Farleap)
主な出典: デジタル化・AI導入補助金2026 / 中小企業省力化投資補助金(一般型) / 人材開発支援助成金(厚生労働省) / 令和8年度DXリスキリング助成金(東京しごと財団)(いずれも2026年8月3日閲覧)
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中小企業のAI導入に使える補助金は、デジタル化・AI導入補助金2026、省力化投資補助金、人材開発支援助成金、東京都DXリスキリング助成金の4つが主軸だ。補助率・上限額・直近の締切と、ITツール導入・開発・研修の目的別の使い分けを公式情報に基づいて整理した。
中小企業がAI導入で使える補助金・助成金は、大きく4つに整理できる(本記事では両者をまとめて「補助金」と呼ぶ)。登録済みITツール・SaaSの導入なら「デジタル化・AI導入補助金2026」、自社業務に合わせたオーダーメイドのAI・システム開発なら「中小企業省力化投資補助金(一般型)」、社員向けのAI研修なら「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」、東京都内企業の短時間研修なら「東京都DXリスキリング助成金」だ。この記事では、各制度の補助率・上限額・直近スケジュールを公式公開情報に基づいて整理し、目的別の使い分けを示す。
補助率・上限額・締切は公募回や年度で変わる。本記事の数値は2026年8月3日時点の各公式サイトの公開情報であり、申請前には必ず最新の公募要領・支給要領の原本を確認してほしい。また、支給の可否や金額は各制度の事務局・管轄労働局の審査によって決まる。本記事は制度の概要を整理するものであり、採択や支給を保証するものではない。
中小企業のAI導入に使える補助金はどれか?
結論から言えば、「何にお金を使うか」で制度が決まる。目的はITツール導入・オーダーメイド開発・人材育成の3つに大別でき、人材育成だけが国と都の2制度に分かれるため、主軸となるのは次の4制度だ(このほか、ものづくり補助金など案件の性格次第で使える制度もある)。
制度 | 向いている用途 | 補助率(中小企業) | 補助上限 | 直近スケジュール |
|---|---|---|---|---|
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 登録済みITツール・SaaSの導入 | 1/2以内(要件により2/3以内) | 450万円 | 4次締切 2026年8月25日 |
中小企業省力化投資補助金(一般型) | オーダーメイドのAI・システム開発 | 1/2〜2/3 | 750万〜8,000万円(従業員数で変動、特例で最大1億円) | 第8回公募 2026年8月中旬開始(予定) |
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 10時間以上のAI・DX研修 | 経費75%+賃金1,000円/人・時 | 経費30万〜50万円/人(eラーニング等は15万円) | 通年(訓練開始の6か月〜1か月前に計画届) |
東京都DXリスキリング助成金 | 3時間以上10時間未満のDX研修(都内) | 3/4 | 7.5万円/人・1研修、100万円/社・年度 | 受付2027年2月28日まで(研修開始の1か月前までに申請) |
以下、制度ごとに要点を見ていく。
デジタル化・AI導入補助金2026とは?IT導入補助金と何が違うのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、旧「IT導入補助金」の後継制度だ。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」で、中小企業基盤整備機構と中小企業庁の監督のもとで事務局が運営している。名称にAIが入ったとおり、生産性向上に資するITツール・AIツールの導入経費を補助する(出典: 制度概要)。
通常枠の補助率は1/2以内。令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上いることを示した場合は、2/3以内に引き上がる。補助額は導入するツールが担う業務プロセス数で決まり、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下だ(出典: 通常枠)。
デジタル化・AI導入補助金2026で最も重要な特徴は、申請の建付けが「単独申請」ではないことだ。事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組み、事前審査に合格した登録済みITツールを導入する場合だけが対象になる(複数者連携枠を除く)。つまり、好きなツールを買ってから補助金を申請する流れではなく、登録事業者・登録ツールの中から選ぶ流れになる。導入したいツールが決まっているなら、そのツールがITツール検索に登録されているかを最初に確認するとよい。
スケジュールは、交付申請が2026年3月30日に始まっており、通常枠の4次締切は2026年8月25日17:00、交付決定は2026年10月7日(予定)だ。事業実績報告の期限は2027年3月31日(予定)である(出典: 事業スケジュール)。
オーダーメイドのAI開発にはどの補助金が使えるか?
既製のITツールではなく、自社の業務に合わせたAIシステムや業務自動化の開発を外注する場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)が本命になる。人手不足の解消に向けた省力化投資を対象とする制度で、個別現場に合わせたオーダーメイドの設備・システムも補助対象に含まれる(出典: 一般型の概要)。ただし、オーダーメイドであれば何でも対象になるわけではない。人手不足の解消につながる省力化効果や投資回収の見通しを、事業計画として示せることが前提だ。
補助率は中小企業で1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3。中小企業も最低賃金引上げ特例の適用で2/3)。補助上限は従業員数で変わり、5人以下で750万円、6〜20人で1,500万円、21〜50人で3,000万円、51〜100人で5,000万円、101人以上で8,000万円だ。大幅賃上げ特例の要件を満たすと上限が引き上がり、最大1億円になる(出典: 同概要ページ)。
注意したいのは、賃上げに関する要件と返還規定だ。一般型には基本要件として、労働生産性の年平均+4.0%以上の向上、1人当たり給与支給総額の年平均+3.5%以上の増加、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とすることなどが課されており(適用される要件は事業者区分で一部異なる)、給与・最低賃金の要件が未達の場合は補助金の一部返還が求められる。さらに、大幅賃上げ特例(給与支給総額の年平均+6.0%以上かつ事業所内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上)で上限を引き上げた場合に特例要件が未達だと、通常上限との差額の返還が必要になる。なお、赤字が続く場合や天災など事業者の責めに帰さない事由がある場合の返還免除規定もある(出典: 同概要ページ)。上限の大きさだけでなく、賃上げ計画の実現可能性とセットで申請を判断すべきだ。
公募は年3〜4回の予定で、第7回は2026年7月31日に締め切られた。第8回は2026年8月中旬に公募開始、10月中旬に締切の予定だ(出典: スケジュール)。交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外になるのが補助金の通例なので、開発の発注時期は公募スケジュールから逆算して組む必要がある。
AI研修・リスキリングに使える助成金は?
社員にAIを使いこなさせるための研修には、開発向けの補助金とは別系統の「助成金」が使える。代表格が人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースだ。事業展開や社内のDX化に伴って必要となる専門知識・技能の習得訓練が対象で、職務に関連する形で設計されたAI研修はこの類型に乗せられる。単なる一般教養としてのAI講座では対象にならない点に注意したい。
中小企業の場合、経費助成が75%、さらに訓練期間中の賃金助成が1人1時間あたり1,000円付く。経費助成の上限は受講者1人あたり、訓練10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円だ(出典: 厚生労働省リーフレット)。ただし、eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみで、賃金助成は付かない。経費助成の上限も、eラーニング・通信制は中小企業で15万円、定額制サービスは受講者1人1か月あたり2万円に下がる。この15万円上限は、通学制や同時双方向型の訓練と組み合わせた場合にも適用される。満額の助成を狙うなら、eラーニングを含まない通学制・同時双方向型のみで研修を設計する必要がある(出典: 同リーフレット注記)。
訓練の要件は3つ。訓練時間が10時間以上であること、OFF-JT(業務と区別して行う訓練)であること、事業展開・DX等に関連する職務訓練であることだ。加えて、事業主が雇用保険適用事業所であり、受講者が雇用保険被保険者であることが前提になる(雇用保険被保険者でない役員や事業主本人は対象外だ)。手続き面では、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、事業主が管轄労働局へ職業訓練実施計画届と事業展開等実施計画を提出する(出典: 同リーフレット)。提出主体はあくまで事業主であるため、研修の日程は届出期限から逆算して決めることになる。
東京都内の企業なら、東京しごと財団が実施する「令和8年度DXリスキリング助成金」(本記事では東京都DXリスキリング助成金と表記)という選択肢もある。助成率3/4、上限は受講者1人1研修あたり7.5万円・1社あたり年度100万円(上限まで複数回申請可)。対象は総研修時間3時間以上10時間未満の研修で、10時間以上を対象とする人材開発支援助成金とは時間要件で区分されている(出典: 東京しごと財団)。対象になるのは教育機関が実施する研修(既存の公開研修、または教育機関に委託して実施するオーダーメイド研修)で、自社内製の勉強会は対象外だ。受講者は都内の事業所に常時勤務する従業員であることが求められる。申請は研修開始予定日の1か月前まで、交付申請の受付は2027年2月28日までとなっている(出典: 同財団ページ)。短時間のワークショップ型研修なら都の助成金、体系的な長時間研修なら国の助成金、と時間要件で明確に分かれているのが使い分けの基本になる。
補助金の申請は誰に相談すればよいか?
制度によって「相談相手」が異なる。ここを混同すると、そもそも申請の土俵に乗れない。
デジタル化・AI導入補助金2026: 登録済みの「IT導入支援事業者」に相談する。この制度はIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請する建付けであり、事業者選びがツール選びと一体になっている。
省力化投資補助金・ものづくり補助金などの開発系補助金: 事業計画は事業主自身が作る建前だが、開発を発注するベンダーに「補助金の趣旨に合う開発計画かどうか」を早い段階で相談すると、計画と開発内容のずれを防げる。認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等)が事業計画づくりを支援するケースも多い。
研修系の助成金: 計画届・支給申請の提出主体は事業主だ。研修会社側には、助成金の時間要件(10時間以上、または3〜10時間未満)に合わせたカリキュラム設計ができるかを確認するとよい。
いずれの制度でも、申請主体はあくまで事業主自身だ。Farleapも、補助金の申請代行は行わない。省力化投資補助金の趣旨に合うAI・業務自動化システムの開発や、助成金の時間要件に合わせたAI研修の設計・実施という形で、補助金活用を前提にしたプロジェクト設計の相談に応じている。
補助金選びで失敗しないためのチェックポイントは?
補助金選びの失敗は、発注のタイミング・要件の年度変動・賃上げ要件・併給調整の4点に集約される。
発注のタイミング。交付決定前の発注・契約は補助対象外になるのが通例だ。「すぐ始めたい」案件と補助金のスケジュールは両立しないことがある。
要件の年度変動。補助率・上限・対象要件は公募回ごとに変わる。過去記事や営業資料の数値を鵜呑みにせず、必ず公式の公募要領・支給要領の最新版で確認する。
賃上げ要件と返還規定。省力化投資補助金のように、基本要件の賃上げが未達だと返還が発生する制度がある。特例の有無にかかわらず、賃上げ計画とセットで考える。
併給調整。同一の研修・投資に複数の助成金・補助金を重ねて受給することは原則できない。どの制度で申請するかを最初に決める。
よくある質問(FAQ)
AI導入の補助金はいくらもらえるのか?
金額は用途と企業規模で変わる。補助上限の目安は、登録済みITツールの導入なら最大450万円(デジタル化・AI導入補助金2026通常枠)、オーダーメイドのAI・システム開発なら従業員数に応じて750万〜8,000万円(省力化投資補助金一般型、特例で最大1億円)、AI研修なら受講者1人あたり経費の75%・上限30万〜50万円(人材開発支援助成金)だ。これらは実際に受け取れる額ではなく上限であり、実際の額は対象経費に補助率を掛けて算出される。最終的な支給の可否と金額は審査を経て決まる。
個人事業主でもAI導入補助金は使えるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、日本国内で事業を営む法人または個人の中小企業・小規模事業者等が対象で、個人事業主も含まれる。一方、人材開発支援助成金は雇用保険被保険者に対する訓練が対象のため、事業主本人の受講には使えない。制度ごとに対象の定義が異なるので、各公募要領・支給要領で確認してほしい。
ChatGPTやClaudeなどの生成AIツールの利用料は補助対象になるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026の対象は、事務局の事前審査に合格した登録済みITツールに限られる。使いたいツールが登録されているかはITツール検索で確認できる。登録外のツールをそのまま補助対象にすることはできない。
申請から入金までどのくらいかかるのか?
補助金は原則「後払い」だ。例えばデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠4次では、2026年8月25日の申請締切に対して交付決定が10月7日(予定)、その後に事業を実施し、実績報告を経てから入金される。導入費用は一度全額を自社で立て替える前提で、資金繰りを組む必要がある。
補助金と助成金は何が違うのか?
実務上の違いは採択の性質だ。補助金(省力化投資補助金など)は審査で採択・不採択が分かれる競争型が多く、助成金(人材開発支援助成金など)は要件を満たせば支給される要件充足型が多い。ただしどちらも、支給の可否と金額が事務局・労働局の審査を経て決まる点は共通で、申請すれば必ず受給できるものではない。研修系は助成金、投資系は補助金と覚えておくと整理しやすい。
まとめ: 目的から逆算して制度を選ぶ
AI導入の補助金選びは、「ITツール導入→デジタル化・AI導入補助金2026」「オーダーメイド開発→省力化投資補助金」「人材育成→人材開発支援助成金・東京都DXリスキリング助成金」という目的別の対応で考えるのが最短だ。そのうえで、締切・賃上げ要件・後払いの資金繰りという3つの制約を自社の計画に重ねて、使う制度を決めればよい。
自社のAI導入計画がどの制度に合うかを整理したい場合は、補助金診断で目安を確認できる。
著者: 菊地脩斗(Farleap)
主な出典: デジタル化・AI導入補助金2026 / 中小企業省力化投資補助金(一般型) / 人材開発支援助成金(厚生労働省) / 令和8年度DXリスキリング助成金(東京しごと財団)(いずれも2026年8月3日閲覧)
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Web3受託開発会社の選び方
失敗しない発注の5つの判断軸

スマートコントラクト開発の進め方と、よくある落とし穴
要件定義から監査・デプロイまでの進め方と現場の落とし穴

DeFi/DEXのセキュリティ設計
資産を守るために押さえる観点

DX人材の内製化と育成戦略
シチズン開発・GTMエンジニアで変わる組織設計

AIガバナンス・フレームワーク構築ガイド
NIST AI RMFとEU AI Actに学ぶ実装
中小企業のAI導入に使える補助金は、デジタル化・AI導入補助金2026、省力化投資補助金、人材開発支援助成金、東京都DXリスキリング助成金の4つが主軸だ。補助率・上限額・直近の締切と、ITツール導入・開発・研修の目的別の使い分けを公式情報に基づいて整理した。
中小企業がAI導入で使える補助金・助成金は、大きく4つに整理できる(本記事では両者をまとめて「補助金」と呼ぶ)。登録済みITツール・SaaSの導入なら「デジタル化・AI導入補助金2026」、自社業務に合わせたオーダーメイドのAI・システム開発なら「中小企業省力化投資補助金(一般型)」、社員向けのAI研修なら「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」、東京都内企業の短時間研修なら「東京都DXリスキリング助成金」だ。この記事では、各制度の補助率・上限額・直近スケジュールを公式公開情報に基づいて整理し、目的別の使い分けを示す。
補助率・上限額・締切は公募回や年度で変わる。本記事の数値は2026年8月3日時点の各公式サイトの公開情報であり、申請前には必ず最新の公募要領・支給要領の原本を確認してほしい。また、支給の可否や金額は各制度の事務局・管轄労働局の審査によって決まる。本記事は制度の概要を整理するものであり、採択や支給を保証するものではない。
中小企業のAI導入に使える補助金はどれか?
結論から言えば、「何にお金を使うか」で制度が決まる。目的はITツール導入・オーダーメイド開発・人材育成の3つに大別でき、人材育成だけが国と都の2制度に分かれるため、主軸となるのは次の4制度だ(このほか、ものづくり補助金など案件の性格次第で使える制度もある)。
制度 | 向いている用途 | 補助率(中小企業) | 補助上限 | 直近スケジュール |
|---|---|---|---|---|
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 登録済みITツール・SaaSの導入 | 1/2以内(要件により2/3以内) | 450万円 | 4次締切 2026年8月25日 |
中小企業省力化投資補助金(一般型) | オーダーメイドのAI・システム開発 | 1/2〜2/3 | 750万〜8,000万円(従業員数で変動、特例で最大1億円) | 第8回公募 2026年8月中旬開始(予定) |
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 10時間以上のAI・DX研修 | 経費75%+賃金1,000円/人・時 | 経費30万〜50万円/人(eラーニング等は15万円) | 通年(訓練開始の6か月〜1か月前に計画届) |
東京都DXリスキリング助成金 | 3時間以上10時間未満のDX研修(都内) | 3/4 | 7.5万円/人・1研修、100万円/社・年度 | 受付2027年2月28日まで(研修開始の1か月前までに申請) |
以下、制度ごとに要点を見ていく。
デジタル化・AI導入補助金2026とは?IT導入補助金と何が違うのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、旧「IT導入補助金」の後継制度だ。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」で、中小企業基盤整備機構と中小企業庁の監督のもとで事務局が運営している。名称にAIが入ったとおり、生産性向上に資するITツール・AIツールの導入経費を補助する(出典: 制度概要)。
通常枠の補助率は1/2以内。令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上いることを示した場合は、2/3以内に引き上がる。補助額は導入するツールが担う業務プロセス数で決まり、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下だ(出典: 通常枠)。
デジタル化・AI導入補助金2026で最も重要な特徴は、申請の建付けが「単独申請」ではないことだ。事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組み、事前審査に合格した登録済みITツールを導入する場合だけが対象になる(複数者連携枠を除く)。つまり、好きなツールを買ってから補助金を申請する流れではなく、登録事業者・登録ツールの中から選ぶ流れになる。導入したいツールが決まっているなら、そのツールがITツール検索に登録されているかを最初に確認するとよい。
スケジュールは、交付申請が2026年3月30日に始まっており、通常枠の4次締切は2026年8月25日17:00、交付決定は2026年10月7日(予定)だ。事業実績報告の期限は2027年3月31日(予定)である(出典: 事業スケジュール)。
オーダーメイドのAI開発にはどの補助金が使えるか?
既製のITツールではなく、自社の業務に合わせたAIシステムや業務自動化の開発を外注する場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)が本命になる。人手不足の解消に向けた省力化投資を対象とする制度で、個別現場に合わせたオーダーメイドの設備・システムも補助対象に含まれる(出典: 一般型の概要)。ただし、オーダーメイドであれば何でも対象になるわけではない。人手不足の解消につながる省力化効果や投資回収の見通しを、事業計画として示せることが前提だ。
補助率は中小企業で1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3。中小企業も最低賃金引上げ特例の適用で2/3)。補助上限は従業員数で変わり、5人以下で750万円、6〜20人で1,500万円、21〜50人で3,000万円、51〜100人で5,000万円、101人以上で8,000万円だ。大幅賃上げ特例の要件を満たすと上限が引き上がり、最大1億円になる(出典: 同概要ページ)。
注意したいのは、賃上げに関する要件と返還規定だ。一般型には基本要件として、労働生産性の年平均+4.0%以上の向上、1人当たり給与支給総額の年平均+3.5%以上の増加、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とすることなどが課されており(適用される要件は事業者区分で一部異なる)、給与・最低賃金の要件が未達の場合は補助金の一部返還が求められる。さらに、大幅賃上げ特例(給与支給総額の年平均+6.0%以上かつ事業所内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上)で上限を引き上げた場合に特例要件が未達だと、通常上限との差額の返還が必要になる。なお、赤字が続く場合や天災など事業者の責めに帰さない事由がある場合の返還免除規定もある(出典: 同概要ページ)。上限の大きさだけでなく、賃上げ計画の実現可能性とセットで申請を判断すべきだ。
公募は年3〜4回の予定で、第7回は2026年7月31日に締め切られた。第8回は2026年8月中旬に公募開始、10月中旬に締切の予定だ(出典: スケジュール)。交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外になるのが補助金の通例なので、開発の発注時期は公募スケジュールから逆算して組む必要がある。
AI研修・リスキリングに使える助成金は?
社員にAIを使いこなさせるための研修には、開発向けの補助金とは別系統の「助成金」が使える。代表格が人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースだ。事業展開や社内のDX化に伴って必要となる専門知識・技能の習得訓練が対象で、職務に関連する形で設計されたAI研修はこの類型に乗せられる。単なる一般教養としてのAI講座では対象にならない点に注意したい。
中小企業の場合、経費助成が75%、さらに訓練期間中の賃金助成が1人1時間あたり1,000円付く。経費助成の上限は受講者1人あたり、訓練10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円だ(出典: 厚生労働省リーフレット)。ただし、eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみで、賃金助成は付かない。経費助成の上限も、eラーニング・通信制は中小企業で15万円、定額制サービスは受講者1人1か月あたり2万円に下がる。この15万円上限は、通学制や同時双方向型の訓練と組み合わせた場合にも適用される。満額の助成を狙うなら、eラーニングを含まない通学制・同時双方向型のみで研修を設計する必要がある(出典: 同リーフレット注記)。
訓練の要件は3つ。訓練時間が10時間以上であること、OFF-JT(業務と区別して行う訓練)であること、事業展開・DX等に関連する職務訓練であることだ。加えて、事業主が雇用保険適用事業所であり、受講者が雇用保険被保険者であることが前提になる(雇用保険被保険者でない役員や事業主本人は対象外だ)。手続き面では、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、事業主が管轄労働局へ職業訓練実施計画届と事業展開等実施計画を提出する(出典: 同リーフレット)。提出主体はあくまで事業主であるため、研修の日程は届出期限から逆算して決めることになる。
東京都内の企業なら、東京しごと財団が実施する「令和8年度DXリスキリング助成金」(本記事では東京都DXリスキリング助成金と表記)という選択肢もある。助成率3/4、上限は受講者1人1研修あたり7.5万円・1社あたり年度100万円(上限まで複数回申請可)。対象は総研修時間3時間以上10時間未満の研修で、10時間以上を対象とする人材開発支援助成金とは時間要件で区分されている(出典: 東京しごと財団)。対象になるのは教育機関が実施する研修(既存の公開研修、または教育機関に委託して実施するオーダーメイド研修)で、自社内製の勉強会は対象外だ。受講者は都内の事業所に常時勤務する従業員であることが求められる。申請は研修開始予定日の1か月前まで、交付申請の受付は2027年2月28日までとなっている(出典: 同財団ページ)。短時間のワークショップ型研修なら都の助成金、体系的な長時間研修なら国の助成金、と時間要件で明確に分かれているのが使い分けの基本になる。
補助金の申請は誰に相談すればよいか?
制度によって「相談相手」が異なる。ここを混同すると、そもそも申請の土俵に乗れない。
デジタル化・AI導入補助金2026: 登録済みの「IT導入支援事業者」に相談する。この制度はIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請する建付けであり、事業者選びがツール選びと一体になっている。
省力化投資補助金・ものづくり補助金などの開発系補助金: 事業計画は事業主自身が作る建前だが、開発を発注するベンダーに「補助金の趣旨に合う開発計画かどうか」を早い段階で相談すると、計画と開発内容のずれを防げる。認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等)が事業計画づくりを支援するケースも多い。
研修系の助成金: 計画届・支給申請の提出主体は事業主だ。研修会社側には、助成金の時間要件(10時間以上、または3〜10時間未満)に合わせたカリキュラム設計ができるかを確認するとよい。
いずれの制度でも、申請主体はあくまで事業主自身だ。Farleapも、補助金の申請代行は行わない。省力化投資補助金の趣旨に合うAI・業務自動化システムの開発や、助成金の時間要件に合わせたAI研修の設計・実施という形で、補助金活用を前提にしたプロジェクト設計の相談に応じている。
補助金選びで失敗しないためのチェックポイントは?
補助金選びの失敗は、発注のタイミング・要件の年度変動・賃上げ要件・併給調整の4点に集約される。
発注のタイミング。交付決定前の発注・契約は補助対象外になるのが通例だ。「すぐ始めたい」案件と補助金のスケジュールは両立しないことがある。
要件の年度変動。補助率・上限・対象要件は公募回ごとに変わる。過去記事や営業資料の数値を鵜呑みにせず、必ず公式の公募要領・支給要領の最新版で確認する。
賃上げ要件と返還規定。省力化投資補助金のように、基本要件の賃上げが未達だと返還が発生する制度がある。特例の有無にかかわらず、賃上げ計画とセットで考える。
併給調整。同一の研修・投資に複数の助成金・補助金を重ねて受給することは原則できない。どの制度で申請するかを最初に決める。
よくある質問(FAQ)
AI導入の補助金はいくらもらえるのか?
金額は用途と企業規模で変わる。補助上限の目安は、登録済みITツールの導入なら最大450万円(デジタル化・AI導入補助金2026通常枠)、オーダーメイドのAI・システム開発なら従業員数に応じて750万〜8,000万円(省力化投資補助金一般型、特例で最大1億円)、AI研修なら受講者1人あたり経費の75%・上限30万〜50万円(人材開発支援助成金)だ。これらは実際に受け取れる額ではなく上限であり、実際の額は対象経費に補助率を掛けて算出される。最終的な支給の可否と金額は審査を経て決まる。
個人事業主でもAI導入補助金は使えるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、日本国内で事業を営む法人または個人の中小企業・小規模事業者等が対象で、個人事業主も含まれる。一方、人材開発支援助成金は雇用保険被保険者に対する訓練が対象のため、事業主本人の受講には使えない。制度ごとに対象の定義が異なるので、各公募要領・支給要領で確認してほしい。
ChatGPTやClaudeなどの生成AIツールの利用料は補助対象になるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026の対象は、事務局の事前審査に合格した登録済みITツールに限られる。使いたいツールが登録されているかはITツール検索で確認できる。登録外のツールをそのまま補助対象にすることはできない。
申請から入金までどのくらいかかるのか?
補助金は原則「後払い」だ。例えばデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠4次では、2026年8月25日の申請締切に対して交付決定が10月7日(予定)、その後に事業を実施し、実績報告を経てから入金される。導入費用は一度全額を自社で立て替える前提で、資金繰りを組む必要がある。
補助金と助成金は何が違うのか?
実務上の違いは採択の性質だ。補助金(省力化投資補助金など)は審査で採択・不採択が分かれる競争型が多く、助成金(人材開発支援助成金など)は要件を満たせば支給される要件充足型が多い。ただしどちらも、支給の可否と金額が事務局・労働局の審査を経て決まる点は共通で、申請すれば必ず受給できるものではない。研修系は助成金、投資系は補助金と覚えておくと整理しやすい。
まとめ: 目的から逆算して制度を選ぶ
AI導入の補助金選びは、「ITツール導入→デジタル化・AI導入補助金2026」「オーダーメイド開発→省力化投資補助金」「人材育成→人材開発支援助成金・東京都DXリスキリング助成金」という目的別の対応で考えるのが最短だ。そのうえで、締切・賃上げ要件・後払いの資金繰りという3つの制約を自社の計画に重ねて、使う制度を決めればよい。
自社のAI導入計画がどの制度に合うかを整理したい場合は、補助金診断で目安を確認できる。
著者: 菊地脩斗(Farleap)
主な出典: デジタル化・AI導入補助金2026 / 中小企業省力化投資補助金(一般型) / 人材開発支援助成金(厚生労働省) / 令和8年度DXリスキリング助成金(東京しごと財団)(いずれも2026年8月3日閲覧)
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中小企業のAI導入に使える補助金は、デジタル化・AI導入補助金2026、省力化投資補助金、人材開発支援助成金、東京都DXリスキリング助成金の4つが主軸だ。補助率・上限額・直近の締切と、ITツール導入・開発・研修の目的別の使い分けを公式情報に基づいて整理した。
中小企業がAI導入で使える補助金・助成金は、大きく4つに整理できる(本記事では両者をまとめて「補助金」と呼ぶ)。登録済みITツール・SaaSの導入なら「デジタル化・AI導入補助金2026」、自社業務に合わせたオーダーメイドのAI・システム開発なら「中小企業省力化投資補助金(一般型)」、社員向けのAI研修なら「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」、東京都内企業の短時間研修なら「東京都DXリスキリング助成金」だ。この記事では、各制度の補助率・上限額・直近スケジュールを公式公開情報に基づいて整理し、目的別の使い分けを示す。
補助率・上限額・締切は公募回や年度で変わる。本記事の数値は2026年8月3日時点の各公式サイトの公開情報であり、申請前には必ず最新の公募要領・支給要領の原本を確認してほしい。また、支給の可否や金額は各制度の事務局・管轄労働局の審査によって決まる。本記事は制度の概要を整理するものであり、採択や支給を保証するものではない。
中小企業のAI導入に使える補助金はどれか?
結論から言えば、「何にお金を使うか」で制度が決まる。目的はITツール導入・オーダーメイド開発・人材育成の3つに大別でき、人材育成だけが国と都の2制度に分かれるため、主軸となるのは次の4制度だ(このほか、ものづくり補助金など案件の性格次第で使える制度もある)。
制度 | 向いている用途 | 補助率(中小企業) | 補助上限 | 直近スケジュール |
|---|---|---|---|---|
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 登録済みITツール・SaaSの導入 | 1/2以内(要件により2/3以内) | 450万円 | 4次締切 2026年8月25日 |
中小企業省力化投資補助金(一般型) | オーダーメイドのAI・システム開発 | 1/2〜2/3 | 750万〜8,000万円(従業員数で変動、特例で最大1億円) | 第8回公募 2026年8月中旬開始(予定) |
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 10時間以上のAI・DX研修 | 経費75%+賃金1,000円/人・時 | 経費30万〜50万円/人(eラーニング等は15万円) | 通年(訓練開始の6か月〜1か月前に計画届) |
東京都DXリスキリング助成金 | 3時間以上10時間未満のDX研修(都内) | 3/4 | 7.5万円/人・1研修、100万円/社・年度 | 受付2027年2月28日まで(研修開始の1か月前までに申請) |
以下、制度ごとに要点を見ていく。
デジタル化・AI導入補助金2026とは?IT導入補助金と何が違うのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、旧「IT導入補助金」の後継制度だ。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」で、中小企業基盤整備機構と中小企業庁の監督のもとで事務局が運営している。名称にAIが入ったとおり、生産性向上に資するITツール・AIツールの導入経費を補助する(出典: 制度概要)。
通常枠の補助率は1/2以内。令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上いることを示した場合は、2/3以内に引き上がる。補助額は導入するツールが担う業務プロセス数で決まり、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下だ(出典: 通常枠)。
デジタル化・AI導入補助金2026で最も重要な特徴は、申請の建付けが「単独申請」ではないことだ。事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組み、事前審査に合格した登録済みITツールを導入する場合だけが対象になる(複数者連携枠を除く)。つまり、好きなツールを買ってから補助金を申請する流れではなく、登録事業者・登録ツールの中から選ぶ流れになる。導入したいツールが決まっているなら、そのツールがITツール検索に登録されているかを最初に確認するとよい。
スケジュールは、交付申請が2026年3月30日に始まっており、通常枠の4次締切は2026年8月25日17:00、交付決定は2026年10月7日(予定)だ。事業実績報告の期限は2027年3月31日(予定)である(出典: 事業スケジュール)。
オーダーメイドのAI開発にはどの補助金が使えるか?
既製のITツールではなく、自社の業務に合わせたAIシステムや業務自動化の開発を外注する場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)が本命になる。人手不足の解消に向けた省力化投資を対象とする制度で、個別現場に合わせたオーダーメイドの設備・システムも補助対象に含まれる(出典: 一般型の概要)。ただし、オーダーメイドであれば何でも対象になるわけではない。人手不足の解消につながる省力化効果や投資回収の見通しを、事業計画として示せることが前提だ。
補助率は中小企業で1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3。中小企業も最低賃金引上げ特例の適用で2/3)。補助上限は従業員数で変わり、5人以下で750万円、6〜20人で1,500万円、21〜50人で3,000万円、51〜100人で5,000万円、101人以上で8,000万円だ。大幅賃上げ特例の要件を満たすと上限が引き上がり、最大1億円になる(出典: 同概要ページ)。
注意したいのは、賃上げに関する要件と返還規定だ。一般型には基本要件として、労働生産性の年平均+4.0%以上の向上、1人当たり給与支給総額の年平均+3.5%以上の増加、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とすることなどが課されており(適用される要件は事業者区分で一部異なる)、給与・最低賃金の要件が未達の場合は補助金の一部返還が求められる。さらに、大幅賃上げ特例(給与支給総額の年平均+6.0%以上かつ事業所内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上)で上限を引き上げた場合に特例要件が未達だと、通常上限との差額の返還が必要になる。なお、赤字が続く場合や天災など事業者の責めに帰さない事由がある場合の返還免除規定もある(出典: 同概要ページ)。上限の大きさだけでなく、賃上げ計画の実現可能性とセットで申請を判断すべきだ。
公募は年3〜4回の予定で、第7回は2026年7月31日に締め切られた。第8回は2026年8月中旬に公募開始、10月中旬に締切の予定だ(出典: スケジュール)。交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外になるのが補助金の通例なので、開発の発注時期は公募スケジュールから逆算して組む必要がある。
AI研修・リスキリングに使える助成金は?
社員にAIを使いこなさせるための研修には、開発向けの補助金とは別系統の「助成金」が使える。代表格が人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースだ。事業展開や社内のDX化に伴って必要となる専門知識・技能の習得訓練が対象で、職務に関連する形で設計されたAI研修はこの類型に乗せられる。単なる一般教養としてのAI講座では対象にならない点に注意したい。
中小企業の場合、経費助成が75%、さらに訓練期間中の賃金助成が1人1時間あたり1,000円付く。経費助成の上限は受講者1人あたり、訓練10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円だ(出典: 厚生労働省リーフレット)。ただし、eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみで、賃金助成は付かない。経費助成の上限も、eラーニング・通信制は中小企業で15万円、定額制サービスは受講者1人1か月あたり2万円に下がる。この15万円上限は、通学制や同時双方向型の訓練と組み合わせた場合にも適用される。満額の助成を狙うなら、eラーニングを含まない通学制・同時双方向型のみで研修を設計する必要がある(出典: 同リーフレット注記)。
訓練の要件は3つ。訓練時間が10時間以上であること、OFF-JT(業務と区別して行う訓練)であること、事業展開・DX等に関連する職務訓練であることだ。加えて、事業主が雇用保険適用事業所であり、受講者が雇用保険被保険者であることが前提になる(雇用保険被保険者でない役員や事業主本人は対象外だ)。手続き面では、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、事業主が管轄労働局へ職業訓練実施計画届と事業展開等実施計画を提出する(出典: 同リーフレット)。提出主体はあくまで事業主であるため、研修の日程は届出期限から逆算して決めることになる。
東京都内の企業なら、東京しごと財団が実施する「令和8年度DXリスキリング助成金」(本記事では東京都DXリスキリング助成金と表記)という選択肢もある。助成率3/4、上限は受講者1人1研修あたり7.5万円・1社あたり年度100万円(上限まで複数回申請可)。対象は総研修時間3時間以上10時間未満の研修で、10時間以上を対象とする人材開発支援助成金とは時間要件で区分されている(出典: 東京しごと財団)。対象になるのは教育機関が実施する研修(既存の公開研修、または教育機関に委託して実施するオーダーメイド研修)で、自社内製の勉強会は対象外だ。受講者は都内の事業所に常時勤務する従業員であることが求められる。申請は研修開始予定日の1か月前まで、交付申請の受付は2027年2月28日までとなっている(出典: 同財団ページ)。短時間のワークショップ型研修なら都の助成金、体系的な長時間研修なら国の助成金、と時間要件で明確に分かれているのが使い分けの基本になる。
補助金の申請は誰に相談すればよいか?
制度によって「相談相手」が異なる。ここを混同すると、そもそも申請の土俵に乗れない。
デジタル化・AI導入補助金2026: 登録済みの「IT導入支援事業者」に相談する。この制度はIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請する建付けであり、事業者選びがツール選びと一体になっている。
省力化投資補助金・ものづくり補助金などの開発系補助金: 事業計画は事業主自身が作る建前だが、開発を発注するベンダーに「補助金の趣旨に合う開発計画かどうか」を早い段階で相談すると、計画と開発内容のずれを防げる。認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等)が事業計画づくりを支援するケースも多い。
研修系の助成金: 計画届・支給申請の提出主体は事業主だ。研修会社側には、助成金の時間要件(10時間以上、または3〜10時間未満)に合わせたカリキュラム設計ができるかを確認するとよい。
いずれの制度でも、申請主体はあくまで事業主自身だ。Farleapも、補助金の申請代行は行わない。省力化投資補助金の趣旨に合うAI・業務自動化システムの開発や、助成金の時間要件に合わせたAI研修の設計・実施という形で、補助金活用を前提にしたプロジェクト設計の相談に応じている。
補助金選びで失敗しないためのチェックポイントは?
補助金選びの失敗は、発注のタイミング・要件の年度変動・賃上げ要件・併給調整の4点に集約される。
発注のタイミング。交付決定前の発注・契約は補助対象外になるのが通例だ。「すぐ始めたい」案件と補助金のスケジュールは両立しないことがある。
要件の年度変動。補助率・上限・対象要件は公募回ごとに変わる。過去記事や営業資料の数値を鵜呑みにせず、必ず公式の公募要領・支給要領の最新版で確認する。
賃上げ要件と返還規定。省力化投資補助金のように、基本要件の賃上げが未達だと返還が発生する制度がある。特例の有無にかかわらず、賃上げ計画とセットで考える。
併給調整。同一の研修・投資に複数の助成金・補助金を重ねて受給することは原則できない。どの制度で申請するかを最初に決める。
よくある質問(FAQ)
AI導入の補助金はいくらもらえるのか?
金額は用途と企業規模で変わる。補助上限の目安は、登録済みITツールの導入なら最大450万円(デジタル化・AI導入補助金2026通常枠)、オーダーメイドのAI・システム開発なら従業員数に応じて750万〜8,000万円(省力化投資補助金一般型、特例で最大1億円)、AI研修なら受講者1人あたり経費の75%・上限30万〜50万円(人材開発支援助成金)だ。これらは実際に受け取れる額ではなく上限であり、実際の額は対象経費に補助率を掛けて算出される。最終的な支給の可否と金額は審査を経て決まる。
個人事業主でもAI導入補助金は使えるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、日本国内で事業を営む法人または個人の中小企業・小規模事業者等が対象で、個人事業主も含まれる。一方、人材開発支援助成金は雇用保険被保険者に対する訓練が対象のため、事業主本人の受講には使えない。制度ごとに対象の定義が異なるので、各公募要領・支給要領で確認してほしい。
ChatGPTやClaudeなどの生成AIツールの利用料は補助対象になるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026の対象は、事務局の事前審査に合格した登録済みITツールに限られる。使いたいツールが登録されているかはITツール検索で確認できる。登録外のツールをそのまま補助対象にすることはできない。
申請から入金までどのくらいかかるのか?
補助金は原則「後払い」だ。例えばデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠4次では、2026年8月25日の申請締切に対して交付決定が10月7日(予定)、その後に事業を実施し、実績報告を経てから入金される。導入費用は一度全額を自社で立て替える前提で、資金繰りを組む必要がある。
補助金と助成金は何が違うのか?
実務上の違いは採択の性質だ。補助金(省力化投資補助金など)は審査で採択・不採択が分かれる競争型が多く、助成金(人材開発支援助成金など)は要件を満たせば支給される要件充足型が多い。ただしどちらも、支給の可否と金額が事務局・労働局の審査を経て決まる点は共通で、申請すれば必ず受給できるものではない。研修系は助成金、投資系は補助金と覚えておくと整理しやすい。
まとめ: 目的から逆算して制度を選ぶ
AI導入の補助金選びは、「ITツール導入→デジタル化・AI導入補助金2026」「オーダーメイド開発→省力化投資補助金」「人材育成→人材開発支援助成金・東京都DXリスキリング助成金」という目的別の対応で考えるのが最短だ。そのうえで、締切・賃上げ要件・後払いの資金繰りという3つの制約を自社の計画に重ねて、使う制度を決めればよい。
自社のAI導入計画がどの制度に合うかを整理したい場合は、補助金診断で目安を確認できる。
著者: 菊地脩斗(Farleap)
主な出典: デジタル化・AI導入補助金2026 / 中小企業省力化投資補助金(一般型) / 人材開発支援助成金(厚生労働省) / 令和8年度DXリスキリング助成金(東京しごと財団)(いずれも2026年8月3日閲覧)
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中小企業がAI導入で使える補助金・助成金は、大きく4つに整理できる(本記事では両者をまとめて「補助金」と呼ぶ)。登録済みITツール・SaaSの導入なら「デジタル化・AI導入補助金2026」、自社業務に合わせたオーダーメイドのAI・システム開発なら「中小企業省力化投資補助金(一般型)」、社員向けのAI研修なら「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」、東京都内企業の短時間研修なら「東京都DXリスキリング助成金」だ。この記事では、各制度の補助率・上限額・直近スケジュールを公式公開情報に基づいて整理し、目的別の使い分けを示す。
補助率・上限額・締切は公募回や年度で変わる。本記事の数値は2026年8月3日時点の各公式サイトの公開情報であり、申請前には必ず最新の公募要領・支給要領の原本を確認してほしい。また、支給の可否や金額は各制度の事務局・管轄労働局の審査によって決まる。本記事は制度の概要を整理するものであり、採択や支給を保証するものではない。
中小企業のAI導入に使える補助金はどれか?
結論から言えば、「何にお金を使うか」で制度が決まる。目的はITツール導入・オーダーメイド開発・人材育成の3つに大別でき、人材育成だけが国と都の2制度に分かれるため、主軸となるのは次の4制度だ(このほか、ものづくり補助金など案件の性格次第で使える制度もある)。
制度 | 向いている用途 | 補助率(中小企業) | 補助上限 | 直近スケジュール |
|---|---|---|---|---|
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 登録済みITツール・SaaSの導入 | 1/2以内(要件により2/3以内) | 450万円 | 4次締切 2026年8月25日 |
中小企業省力化投資補助金(一般型) | オーダーメイドのAI・システム開発 | 1/2〜2/3 | 750万〜8,000万円(従業員数で変動、特例で最大1億円) | 第8回公募 2026年8月中旬開始(予定) |
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 10時間以上のAI・DX研修 | 経費75%+賃金1,000円/人・時 | 経費30万〜50万円/人(eラーニング等は15万円) | 通年(訓練開始の6か月〜1か月前に計画届) |
東京都DXリスキリング助成金 | 3時間以上10時間未満のDX研修(都内) | 3/4 | 7.5万円/人・1研修、100万円/社・年度 | 受付2027年2月28日まで(研修開始の1か月前までに申請) |
以下、制度ごとに要点を見ていく。
デジタル化・AI導入補助金2026とは?IT導入補助金と何が違うのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、旧「IT導入補助金」の後継制度だ。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」で、中小企業基盤整備機構と中小企業庁の監督のもとで事務局が運営している。名称にAIが入ったとおり、生産性向上に資するITツール・AIツールの導入経費を補助する(出典: 制度概要)。
通常枠の補助率は1/2以内。令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上いることを示した場合は、2/3以内に引き上がる。補助額は導入するツールが担う業務プロセス数で決まり、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下だ(出典: 通常枠)。
デジタル化・AI導入補助金2026で最も重要な特徴は、申請の建付けが「単独申請」ではないことだ。事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組み、事前審査に合格した登録済みITツールを導入する場合だけが対象になる(複数者連携枠を除く)。つまり、好きなツールを買ってから補助金を申請する流れではなく、登録事業者・登録ツールの中から選ぶ流れになる。導入したいツールが決まっているなら、そのツールがITツール検索に登録されているかを最初に確認するとよい。
スケジュールは、交付申請が2026年3月30日に始まっており、通常枠の4次締切は2026年8月25日17:00、交付決定は2026年10月7日(予定)だ。事業実績報告の期限は2027年3月31日(予定)である(出典: 事業スケジュール)。
オーダーメイドのAI開発にはどの補助金が使えるか?
既製のITツールではなく、自社の業務に合わせたAIシステムや業務自動化の開発を外注する場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)が本命になる。人手不足の解消に向けた省力化投資を対象とする制度で、個別現場に合わせたオーダーメイドの設備・システムも補助対象に含まれる(出典: 一般型の概要)。ただし、オーダーメイドであれば何でも対象になるわけではない。人手不足の解消につながる省力化効果や投資回収の見通しを、事業計画として示せることが前提だ。
補助率は中小企業で1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3。中小企業も最低賃金引上げ特例の適用で2/3)。補助上限は従業員数で変わり、5人以下で750万円、6〜20人で1,500万円、21〜50人で3,000万円、51〜100人で5,000万円、101人以上で8,000万円だ。大幅賃上げ特例の要件を満たすと上限が引き上がり、最大1億円になる(出典: 同概要ページ)。
注意したいのは、賃上げに関する要件と返還規定だ。一般型には基本要件として、労働生産性の年平均+4.0%以上の向上、1人当たり給与支給総額の年平均+3.5%以上の増加、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とすることなどが課されており(適用される要件は事業者区分で一部異なる)、給与・最低賃金の要件が未達の場合は補助金の一部返還が求められる。さらに、大幅賃上げ特例(給与支給総額の年平均+6.0%以上かつ事業所内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上)で上限を引き上げた場合に特例要件が未達だと、通常上限との差額の返還が必要になる。なお、赤字が続く場合や天災など事業者の責めに帰さない事由がある場合の返還免除規定もある(出典: 同概要ページ)。上限の大きさだけでなく、賃上げ計画の実現可能性とセットで申請を判断すべきだ。
公募は年3〜4回の予定で、第7回は2026年7月31日に締め切られた。第8回は2026年8月中旬に公募開始、10月中旬に締切の予定だ(出典: スケジュール)。交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外になるのが補助金の通例なので、開発の発注時期は公募スケジュールから逆算して組む必要がある。
AI研修・リスキリングに使える助成金は?
社員にAIを使いこなさせるための研修には、開発向けの補助金とは別系統の「助成金」が使える。代表格が人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースだ。事業展開や社内のDX化に伴って必要となる専門知識・技能の習得訓練が対象で、職務に関連する形で設計されたAI研修はこの類型に乗せられる。単なる一般教養としてのAI講座では対象にならない点に注意したい。
中小企業の場合、経費助成が75%、さらに訓練期間中の賃金助成が1人1時間あたり1,000円付く。経費助成の上限は受講者1人あたり、訓練10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円だ(出典: 厚生労働省リーフレット)。ただし、eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみで、賃金助成は付かない。経費助成の上限も、eラーニング・通信制は中小企業で15万円、定額制サービスは受講者1人1か月あたり2万円に下がる。この15万円上限は、通学制や同時双方向型の訓練と組み合わせた場合にも適用される。満額の助成を狙うなら、eラーニングを含まない通学制・同時双方向型のみで研修を設計する必要がある(出典: 同リーフレット注記)。
訓練の要件は3つ。訓練時間が10時間以上であること、OFF-JT(業務と区別して行う訓練)であること、事業展開・DX等に関連する職務訓練であることだ。加えて、事業主が雇用保険適用事業所であり、受講者が雇用保険被保険者であることが前提になる(雇用保険被保険者でない役員や事業主本人は対象外だ)。手続き面では、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、事業主が管轄労働局へ職業訓練実施計画届と事業展開等実施計画を提出する(出典: 同リーフレット)。提出主体はあくまで事業主であるため、研修の日程は届出期限から逆算して決めることになる。
東京都内の企業なら、東京しごと財団が実施する「令和8年度DXリスキリング助成金」(本記事では東京都DXリスキリング助成金と表記)という選択肢もある。助成率3/4、上限は受講者1人1研修あたり7.5万円・1社あたり年度100万円(上限まで複数回申請可)。対象は総研修時間3時間以上10時間未満の研修で、10時間以上を対象とする人材開発支援助成金とは時間要件で区分されている(出典: 東京しごと財団)。対象になるのは教育機関が実施する研修(既存の公開研修、または教育機関に委託して実施するオーダーメイド研修)で、自社内製の勉強会は対象外だ。受講者は都内の事業所に常時勤務する従業員であることが求められる。申請は研修開始予定日の1か月前まで、交付申請の受付は2027年2月28日までとなっている(出典: 同財団ページ)。短時間のワークショップ型研修なら都の助成金、体系的な長時間研修なら国の助成金、と時間要件で明確に分かれているのが使い分けの基本になる。
補助金の申請は誰に相談すればよいか?
制度によって「相談相手」が異なる。ここを混同すると、そもそも申請の土俵に乗れない。
デジタル化・AI導入補助金2026: 登録済みの「IT導入支援事業者」に相談する。この制度はIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請する建付けであり、事業者選びがツール選びと一体になっている。
省力化投資補助金・ものづくり補助金などの開発系補助金: 事業計画は事業主自身が作る建前だが、開発を発注するベンダーに「補助金の趣旨に合う開発計画かどうか」を早い段階で相談すると、計画と開発内容のずれを防げる。認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等)が事業計画づくりを支援するケースも多い。
研修系の助成金: 計画届・支給申請の提出主体は事業主だ。研修会社側には、助成金の時間要件(10時間以上、または3〜10時間未満)に合わせたカリキュラム設計ができるかを確認するとよい。
いずれの制度でも、申請主体はあくまで事業主自身だ。Farleapも、補助金の申請代行は行わない。省力化投資補助金の趣旨に合うAI・業務自動化システムの開発や、助成金の時間要件に合わせたAI研修の設計・実施という形で、補助金活用を前提にしたプロジェクト設計の相談に応じている。
補助金選びで失敗しないためのチェックポイントは?
補助金選びの失敗は、発注のタイミング・要件の年度変動・賃上げ要件・併給調整の4点に集約される。
発注のタイミング。交付決定前の発注・契約は補助対象外になるのが通例だ。「すぐ始めたい」案件と補助金のスケジュールは両立しないことがある。
要件の年度変動。補助率・上限・対象要件は公募回ごとに変わる。過去記事や営業資料の数値を鵜呑みにせず、必ず公式の公募要領・支給要領の最新版で確認する。
賃上げ要件と返還規定。省力化投資補助金のように、基本要件の賃上げが未達だと返還が発生する制度がある。特例の有無にかかわらず、賃上げ計画とセットで考える。
併給調整。同一の研修・投資に複数の助成金・補助金を重ねて受給することは原則できない。どの制度で申請するかを最初に決める。
よくある質問(FAQ)
AI導入の補助金はいくらもらえるのか?
金額は用途と企業規模で変わる。補助上限の目安は、登録済みITツールの導入なら最大450万円(デジタル化・AI導入補助金2026通常枠)、オーダーメイドのAI・システム開発なら従業員数に応じて750万〜8,000万円(省力化投資補助金一般型、特例で最大1億円)、AI研修なら受講者1人あたり経費の75%・上限30万〜50万円(人材開発支援助成金)だ。これらは実際に受け取れる額ではなく上限であり、実際の額は対象経費に補助率を掛けて算出される。最終的な支給の可否と金額は審査を経て決まる。
個人事業主でもAI導入補助金は使えるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、日本国内で事業を営む法人または個人の中小企業・小規模事業者等が対象で、個人事業主も含まれる。一方、人材開発支援助成金は雇用保険被保険者に対する訓練が対象のため、事業主本人の受講には使えない。制度ごとに対象の定義が異なるので、各公募要領・支給要領で確認してほしい。
ChatGPTやClaudeなどの生成AIツールの利用料は補助対象になるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026の対象は、事務局の事前審査に合格した登録済みITツールに限られる。使いたいツールが登録されているかはITツール検索で確認できる。登録外のツールをそのまま補助対象にすることはできない。
申請から入金までどのくらいかかるのか?
補助金は原則「後払い」だ。例えばデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠4次では、2026年8月25日の申請締切に対して交付決定が10月7日(予定)、その後に事業を実施し、実績報告を経てから入金される。導入費用は一度全額を自社で立て替える前提で、資金繰りを組む必要がある。
補助金と助成金は何が違うのか?
実務上の違いは採択の性質だ。補助金(省力化投資補助金など)は審査で採択・不採択が分かれる競争型が多く、助成金(人材開発支援助成金など)は要件を満たせば支給される要件充足型が多い。ただしどちらも、支給の可否と金額が事務局・労働局の審査を経て決まる点は共通で、申請すれば必ず受給できるものではない。研修系は助成金、投資系は補助金と覚えておくと整理しやすい。
まとめ: 目的から逆算して制度を選ぶ
AI導入の補助金選びは、「ITツール導入→デジタル化・AI導入補助金2026」「オーダーメイド開発→省力化投資補助金」「人材育成→人材開発支援助成金・東京都DXリスキリング助成金」という目的別の対応で考えるのが最短だ。そのうえで、締切・賃上げ要件・後払いの資金繰りという3つの制約を自社の計画に重ねて、使う制度を決めればよい。
自社のAI導入計画がどの制度に合うかを整理したい場合は、補助金診断で目安を確認できる。
著者: 菊地脩斗(Farleap)
主な出典: デジタル化・AI導入補助金2026 / 中小企業省力化投資補助金(一般型) / 人材開発支援助成金(厚生労働省) / 令和8年度DXリスキリング助成金(東京しごと財団)(いずれも2026年8月3日閲覧)
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中小企業のAI導入に使える補助金は、デジタル化・AI導入補助金2026、省力化投資補助金、人材開発支援助成金、東京都DXリスキリング助成金の4つが主軸だ。補助率・上限額・直近の締切と、ITツール導入・開発・研修の目的別の使い分けを公式情報に基づいて整理した。
中小企業がAI導入で使える補助金・助成金は、大きく4つに整理できる(本記事では両者をまとめて「補助金」と呼ぶ)。登録済みITツール・SaaSの導入なら「デジタル化・AI導入補助金2026」、自社業務に合わせたオーダーメイドのAI・システム開発なら「中小企業省力化投資補助金(一般型)」、社員向けのAI研修なら「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」、東京都内企業の短時間研修なら「東京都DXリスキリング助成金」だ。この記事では、各制度の補助率・上限額・直近スケジュールを公式公開情報に基づいて整理し、目的別の使い分けを示す。
補助率・上限額・締切は公募回や年度で変わる。本記事の数値は2026年8月3日時点の各公式サイトの公開情報であり、申請前には必ず最新の公募要領・支給要領の原本を確認してほしい。また、支給の可否や金額は各制度の事務局・管轄労働局の審査によって決まる。本記事は制度の概要を整理するものであり、採択や支給を保証するものではない。
中小企業のAI導入に使える補助金はどれか?
結論から言えば、「何にお金を使うか」で制度が決まる。目的はITツール導入・オーダーメイド開発・人材育成の3つに大別でき、人材育成だけが国と都の2制度に分かれるため、主軸となるのは次の4制度だ(このほか、ものづくり補助金など案件の性格次第で使える制度もある)。
制度 | 向いている用途 | 補助率(中小企業) | 補助上限 | 直近スケジュール |
|---|---|---|---|---|
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 登録済みITツール・SaaSの導入 | 1/2以内(要件により2/3以内) | 450万円 | 4次締切 2026年8月25日 |
中小企業省力化投資補助金(一般型) | オーダーメイドのAI・システム開発 | 1/2〜2/3 | 750万〜8,000万円(従業員数で変動、特例で最大1億円) | 第8回公募 2026年8月中旬開始(予定) |
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 10時間以上のAI・DX研修 | 経費75%+賃金1,000円/人・時 | 経費30万〜50万円/人(eラーニング等は15万円) | 通年(訓練開始の6か月〜1か月前に計画届) |
東京都DXリスキリング助成金 | 3時間以上10時間未満のDX研修(都内) | 3/4 | 7.5万円/人・1研修、100万円/社・年度 | 受付2027年2月28日まで(研修開始の1か月前までに申請) |
以下、制度ごとに要点を見ていく。
デジタル化・AI導入補助金2026とは?IT導入補助金と何が違うのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、旧「IT導入補助金」の後継制度だ。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」で、中小企業基盤整備機構と中小企業庁の監督のもとで事務局が運営している。名称にAIが入ったとおり、生産性向上に資するITツール・AIツールの導入経費を補助する(出典: 制度概要)。
通常枠の補助率は1/2以内。令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上いることを示した場合は、2/3以内に引き上がる。補助額は導入するツールが担う業務プロセス数で決まり、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下だ(出典: 通常枠)。
デジタル化・AI導入補助金2026で最も重要な特徴は、申請の建付けが「単独申請」ではないことだ。事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組み、事前審査に合格した登録済みITツールを導入する場合だけが対象になる(複数者連携枠を除く)。つまり、好きなツールを買ってから補助金を申請する流れではなく、登録事業者・登録ツールの中から選ぶ流れになる。導入したいツールが決まっているなら、そのツールがITツール検索に登録されているかを最初に確認するとよい。
スケジュールは、交付申請が2026年3月30日に始まっており、通常枠の4次締切は2026年8月25日17:00、交付決定は2026年10月7日(予定)だ。事業実績報告の期限は2027年3月31日(予定)である(出典: 事業スケジュール)。
オーダーメイドのAI開発にはどの補助金が使えるか?
既製のITツールではなく、自社の業務に合わせたAIシステムや業務自動化の開発を外注する場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)が本命になる。人手不足の解消に向けた省力化投資を対象とする制度で、個別現場に合わせたオーダーメイドの設備・システムも補助対象に含まれる(出典: 一般型の概要)。ただし、オーダーメイドであれば何でも対象になるわけではない。人手不足の解消につながる省力化効果や投資回収の見通しを、事業計画として示せることが前提だ。
補助率は中小企業で1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3。中小企業も最低賃金引上げ特例の適用で2/3)。補助上限は従業員数で変わり、5人以下で750万円、6〜20人で1,500万円、21〜50人で3,000万円、51〜100人で5,000万円、101人以上で8,000万円だ。大幅賃上げ特例の要件を満たすと上限が引き上がり、最大1億円になる(出典: 同概要ページ)。
注意したいのは、賃上げに関する要件と返還規定だ。一般型には基本要件として、労働生産性の年平均+4.0%以上の向上、1人当たり給与支給総額の年平均+3.5%以上の増加、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とすることなどが課されており(適用される要件は事業者区分で一部異なる)、給与・最低賃金の要件が未達の場合は補助金の一部返還が求められる。さらに、大幅賃上げ特例(給与支給総額の年平均+6.0%以上かつ事業所内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上)で上限を引き上げた場合に特例要件が未達だと、通常上限との差額の返還が必要になる。なお、赤字が続く場合や天災など事業者の責めに帰さない事由がある場合の返還免除規定もある(出典: 同概要ページ)。上限の大きさだけでなく、賃上げ計画の実現可能性とセットで申請を判断すべきだ。
公募は年3〜4回の予定で、第7回は2026年7月31日に締め切られた。第8回は2026年8月中旬に公募開始、10月中旬に締切の予定だ(出典: スケジュール)。交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外になるのが補助金の通例なので、開発の発注時期は公募スケジュールから逆算して組む必要がある。
AI研修・リスキリングに使える助成金は?
社員にAIを使いこなさせるための研修には、開発向けの補助金とは別系統の「助成金」が使える。代表格が人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースだ。事業展開や社内のDX化に伴って必要となる専門知識・技能の習得訓練が対象で、職務に関連する形で設計されたAI研修はこの類型に乗せられる。単なる一般教養としてのAI講座では対象にならない点に注意したい。
中小企業の場合、経費助成が75%、さらに訓練期間中の賃金助成が1人1時間あたり1,000円付く。経費助成の上限は受講者1人あたり、訓練10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円だ(出典: 厚生労働省リーフレット)。ただし、eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみで、賃金助成は付かない。経費助成の上限も、eラーニング・通信制は中小企業で15万円、定額制サービスは受講者1人1か月あたり2万円に下がる。この15万円上限は、通学制や同時双方向型の訓練と組み合わせた場合にも適用される。満額の助成を狙うなら、eラーニングを含まない通学制・同時双方向型のみで研修を設計する必要がある(出典: 同リーフレット注記)。
訓練の要件は3つ。訓練時間が10時間以上であること、OFF-JT(業務と区別して行う訓練)であること、事業展開・DX等に関連する職務訓練であることだ。加えて、事業主が雇用保険適用事業所であり、受講者が雇用保険被保険者であることが前提になる(雇用保険被保険者でない役員や事業主本人は対象外だ)。手続き面では、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、事業主が管轄労働局へ職業訓練実施計画届と事業展開等実施計画を提出する(出典: 同リーフレット)。提出主体はあくまで事業主であるため、研修の日程は届出期限から逆算して決めることになる。
東京都内の企業なら、東京しごと財団が実施する「令和8年度DXリスキリング助成金」(本記事では東京都DXリスキリング助成金と表記)という選択肢もある。助成率3/4、上限は受講者1人1研修あたり7.5万円・1社あたり年度100万円(上限まで複数回申請可)。対象は総研修時間3時間以上10時間未満の研修で、10時間以上を対象とする人材開発支援助成金とは時間要件で区分されている(出典: 東京しごと財団)。対象になるのは教育機関が実施する研修(既存の公開研修、または教育機関に委託して実施するオーダーメイド研修)で、自社内製の勉強会は対象外だ。受講者は都内の事業所に常時勤務する従業員であることが求められる。申請は研修開始予定日の1か月前まで、交付申請の受付は2027年2月28日までとなっている(出典: 同財団ページ)。短時間のワークショップ型研修なら都の助成金、体系的な長時間研修なら国の助成金、と時間要件で明確に分かれているのが使い分けの基本になる。
補助金の申請は誰に相談すればよいか?
制度によって「相談相手」が異なる。ここを混同すると、そもそも申請の土俵に乗れない。
デジタル化・AI導入補助金2026: 登録済みの「IT導入支援事業者」に相談する。この制度はIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請する建付けであり、事業者選びがツール選びと一体になっている。
省力化投資補助金・ものづくり補助金などの開発系補助金: 事業計画は事業主自身が作る建前だが、開発を発注するベンダーに「補助金の趣旨に合う開発計画かどうか」を早い段階で相談すると、計画と開発内容のずれを防げる。認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等)が事業計画づくりを支援するケースも多い。
研修系の助成金: 計画届・支給申請の提出主体は事業主だ。研修会社側には、助成金の時間要件(10時間以上、または3〜10時間未満)に合わせたカリキュラム設計ができるかを確認するとよい。
いずれの制度でも、申請主体はあくまで事業主自身だ。Farleapも、補助金の申請代行は行わない。省力化投資補助金の趣旨に合うAI・業務自動化システムの開発や、助成金の時間要件に合わせたAI研修の設計・実施という形で、補助金活用を前提にしたプロジェクト設計の相談に応じている。
補助金選びで失敗しないためのチェックポイントは?
補助金選びの失敗は、発注のタイミング・要件の年度変動・賃上げ要件・併給調整の4点に集約される。
発注のタイミング。交付決定前の発注・契約は補助対象外になるのが通例だ。「すぐ始めたい」案件と補助金のスケジュールは両立しないことがある。
要件の年度変動。補助率・上限・対象要件は公募回ごとに変わる。過去記事や営業資料の数値を鵜呑みにせず、必ず公式の公募要領・支給要領の最新版で確認する。
賃上げ要件と返還規定。省力化投資補助金のように、基本要件の賃上げが未達だと返還が発生する制度がある。特例の有無にかかわらず、賃上げ計画とセットで考える。
併給調整。同一の研修・投資に複数の助成金・補助金を重ねて受給することは原則できない。どの制度で申請するかを最初に決める。
よくある質問(FAQ)
AI導入の補助金はいくらもらえるのか?
金額は用途と企業規模で変わる。補助上限の目安は、登録済みITツールの導入なら最大450万円(デジタル化・AI導入補助金2026通常枠)、オーダーメイドのAI・システム開発なら従業員数に応じて750万〜8,000万円(省力化投資補助金一般型、特例で最大1億円)、AI研修なら受講者1人あたり経費の75%・上限30万〜50万円(人材開発支援助成金)だ。これらは実際に受け取れる額ではなく上限であり、実際の額は対象経費に補助率を掛けて算出される。最終的な支給の可否と金額は審査を経て決まる。
個人事業主でもAI導入補助金は使えるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、日本国内で事業を営む法人または個人の中小企業・小規模事業者等が対象で、個人事業主も含まれる。一方、人材開発支援助成金は雇用保険被保険者に対する訓練が対象のため、事業主本人の受講には使えない。制度ごとに対象の定義が異なるので、各公募要領・支給要領で確認してほしい。
ChatGPTやClaudeなどの生成AIツールの利用料は補助対象になるのか?
デジタル化・AI導入補助金2026の対象は、事務局の事前審査に合格した登録済みITツールに限られる。使いたいツールが登録されているかはITツール検索で確認できる。登録外のツールをそのまま補助対象にすることはできない。
申請から入金までどのくらいかかるのか?
補助金は原則「後払い」だ。例えばデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠4次では、2026年8月25日の申請締切に対して交付決定が10月7日(予定)、その後に事業を実施し、実績報告を経てから入金される。導入費用は一度全額を自社で立て替える前提で、資金繰りを組む必要がある。
補助金と助成金は何が違うのか?
実務上の違いは採択の性質だ。補助金(省力化投資補助金など)は審査で採択・不採択が分かれる競争型が多く、助成金(人材開発支援助成金など)は要件を満たせば支給される要件充足型が多い。ただしどちらも、支給の可否と金額が事務局・労働局の審査を経て決まる点は共通で、申請すれば必ず受給できるものではない。研修系は助成金、投資系は補助金と覚えておくと整理しやすい。
まとめ: 目的から逆算して制度を選ぶ
AI導入の補助金選びは、「ITツール導入→デジタル化・AI導入補助金2026」「オーダーメイド開発→省力化投資補助金」「人材育成→人材開発支援助成金・東京都DXリスキリング助成金」という目的別の対応で考えるのが最短だ。そのうえで、締切・賃上げ要件・後払いの資金繰りという3つの制約を自社の計画に重ねて、使う制度を決めればよい。
自社のAI導入計画がどの制度に合うかを整理したい場合は、補助金診断で目安を確認できる。
著者: 菊地脩斗(Farleap)
主な出典: デジタル化・AI導入補助金2026 / 中小企業省力化投資補助金(一般型) / 人材開発支援助成金(厚生労働省) / 令和8年度DXリスキリング助成金(東京しごと財団)(いずれも2026年8月3日閲覧)
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DX人材の内製化と育成戦略
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